Where are the 2021 sneakers? -02-

スニーカーは本当にブームなのか?

スニーカー人気と『鬼滅の刃』ブームを横並びにするのは少々無謀だとは思いますが…鬼滅に関しては多分、日本国民の7〜8割の方は「アニメや漫画は見ていないけど聞いた事がある」「テレビや街中でビジュアルは目にした事がある」と答えるのではないでしょうか?
対してスニーカーはというと残念ながらそこまで浸透はしていない様に感じています。
私は今のスニーカー人気はブームの域には到達しておらずプチブームというかSNS等の情報ツールをベースにした個々人のマイブームの集合体の様な状態だと思っています。
スニーカーが人気がないと言っているわけではありません。10年前に比べて間違いなく売上げも購買層も増えています。ですが、一般不特定多数を巻き込んだブームと言えるか?というと、やはり疑問が残ります。
スニーカー業界に身を置いていたり、スニーカー情報を日々集めている様な私を含めたユーザーって…スニーカーとの距離が近過ぎて百歩譲っても欲目に見てしまうんです。

とはいえ悲観する事はありません。マイブームの集合体であるならば…ユーザーの新陳代謝が繰り返さるので、大ブームの様にある日を境に突然終焉へと向かう事はないのではないか?と…(希望的観測かも知れませんが)。
前回のコラムに通じる余談になってしまいますが、私たちスニーカーファンは『鬼滅の刃』でいう所の一般の鬼殺隊士であり、技を極め十二鬼月を倒せる力を持つ柱がスニーカーヘッズに該当するという、とんでもない妄想をしてしまった事は、ここだけの話です。←看過され過ぎですね(苦笑)。

さて、スニーカーの事に話を戻します。
メンズ、ウィメンズ、ハイカット、ローカットを含めると1月だけで多分8型のNIKE DUNKがラインナップされています。そこにNIKE SB DUNKを加えると10型以上となります。
更に2月、3月にも複数のNIKE DUNK、NIKE SB DUNKのリリースが控えています。
この中には1999年夏に裏ダンク(シティアタック)として初復刻を果たして以来、約21年ぶり2度目の復刻(2000年秋の追加製造分やOFF-WHITEは除く)となる紺黄(ミシガン)のローカットも含まれている様です。
NIKE DUNK以外にも1月には2002年にナイキショップで発売されたAIR FORCE 1 達磨がオリジナルとは仕様違いではあるものの発売され、2001年に登場したAIR FORCE 1 B 黒蛇が1月下旬にリリースされます。
もし、上記のスニーカー達を入手もしくは撮影する事が出来れば、このコラムで以前の復刻やオリジナルとの比較を画像をやってみたいと思っています。

NIKE DUNK

NIKE DUNKはセール価格やアウトレットで売られているものという印象を今も持ち続けている方がオールドユーザーの中に多い様に思います。
オリジナルは日本での正規発売はなく、初復刻時の国内正規価格はローカットが税抜き13,000円、ハイカットが14.000円という設定でした。日本企画として本格的に復活を果たしたNIKE DUNKは 1999年12月で一旦区切りがついています。
1999年の後半から2000年代に入ってからは日本での成功に乗じたグローバルがアメリカに本拠地を置く大手シューズチェーンの流通限定モデルとして数モデルを展開。2002年にはスケートボードカテゴリーからNIKE DUNK SBが登場し、人気の矛先はNIKE DUNKからNIKE DUNK SBに移ります。
そしてその後…NIKE DUNKはNIKE ICONというコンセプトが掲げられカラーバリエーションが急増します。それまでギミックの一部を除いてリアルレザーを用いていましたが、シンセティックレザーがメインに使われる様になり価格も下がり…同質のマテリアルを安定的に確保できる様になった事が要因してか?リリースラッシュが始まります。
その結果、供給過多となりリテーラーではセール価格での販売が目立ち、直営のアウトレットストアでも山積みにされる事が当たり前の様になりました。この頃の印象がオールドユーザーには強く根付いてしまい、NNIKE DUNKがスニーカー人気の火を消したかの様に捉えられてしまっているのだと思われます。
ただ、スニーカーを取り巻く環境が現在とその当時とでは大きく異なるので…良くも悪くも過去のデータは必ずしも当てはまりません。
90年代中期、AIR FORCE 1やAIR MAXはオポチュニティパックをはじめとするスポット展開で復刻されていましたが…NIKE DUNKの初復刻こそが、その後のそして今に通じる名品の復刻ラッシュの礎となったのは間違いありません。

※下の画像は2000年代に入って乱発された頃のNIKE DUNK のほんの一部です。

ナイキは寸止めの魔術師

ナイキが面白いのは、ユーザーを決して満足させない手法を駆使し飽きさせない様にするのを得意としているところです。
これを個人的には「寸止めの妙」と呼んでいます(笑)。下世話な下ネタ的に例えると…「エッチはさせてくれるのにフィニッシュさせてくれない!」正に寸止めの達人なのです。それをくらうと何とも言えない中途半端で引くに引けない心境になり、次こそはフィニッシュまで!という欲望に負けて再び追い求めてしまうのです(笑)。
最近、始まったNIKE BY YOUのDUNK LOWもカスタマイズ出来る範囲が微妙に痒い所に届かない感がありますよね?これも寸止めテクニックのひとつだと思いません?そう考えるとナイキが好きで堪らない人って筋金入りのドMなのかも知れないですね(苦笑)。
※もしこの下品な例えを不快に思った方がいらっしゃるならお詫び申し上げます。ごめんなさい(苦笑)。

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