I want a usable sneaker ranking

スニーカーにも人気ランキングではなく活用出来る指針となるランキングがあれば…。

毎年年末になると今年のベスト10とかトップ3というテーマのコンテンツをよく目にします。スニーカーも例外ではなく、YouTubeやInstagramで独自のスニーカーベストランキンを発表している方をがいらっしゃいます。それらの中にはその年のスニーカー人気を反映した興味深く面白いものが多々存在します。
ですが私が一番知りたいのは、主観的なものでなく日本のスニーカーシーンにおいて最も実売数が多かったスニーカーは何なのか?売上高が高かったスニーカーは何なのか?なんです。
何故なら日本のスニーカー市場を支えているのはスニーカーヘッズというわれる人達だけではなく、郊外の量販店で取り扱われている10,000円未満のパフォーマンスモデルを主に購入するマニア以外の不特定多数の方々の存在が大きいからです。

私がかつて長年携わっていた仕事のひとつである音楽のリクエストランキングについて少しご説明します。
最盛期800ヶ所以上あったリクエストの受付拠点に毎週金曜曜日から翌木曜日迄の間に寄せられた各楽曲に対するリクエスト数を集計し翌々週の水曜日(業界内には火曜日の夜)に発表するというものでした。
その週間ランキングを纏めた年間ランキング( 12月1日から翌年11月30日迄/年によって多少変動)をもとにした◯◯大賞なるテレビ番組が毎年年末になると放送されていたので30代以上の方はご覧になられた方もいると思います。
このリクエストランキングは全国から毎日寄せられるリクエストの数を単純に足し上げたものである為、エンドユーザーの声を最も正確に反映した信頼性の高いランキングとして音楽業界内外から定評がありました。
発表するランキングの内容は順位の他に総リクエスト数、各楽曲毎のリクエスト数に加え全国を8地区に分けた地区別リクエストやメーカー別まであり、業界内ではランキングではなくチャートという呼ばれ方をしていました。
何故ならランキング(チャート)は単なる結果ではなく、順位だけだと1位と2位の違いしかありませんが、例えば1位が10,000回で2位が9,999回な場合と1位が10,000回で2位が5,000回では同じ1位と2位でもその差によって見方や価値が大きく変わります。更に地区別で関東の数が多いが九州の数が少ない場合…九州エリアを強化しなければというプロモーションやマーケティングの指標となっていました。
簡単に言えば単なる結果ではなく、先の販売促進計画のツールとなり得るデータの要素を併せ持つランキングだったわけです。

著作権等の関係でモザイクをかけています。

メーカーもリテーラーも実売足数を公にしないのが当たり前のスニーカー業界では、これと同じ事をするのは不可能かも知れません。
でも、もし実現したならば…メーカー別でいえばナイキが1位で2位がアディダスとして、発売したアイテム数、その実売数と実売額(出荷レベルではなくエンドユーザーが購入した実数)の違いを数字で比較する事でナイキは更に売り上げを伸ばす為に何が必要なのか?アディダスはナイキに追いつくために何を改善すべきなのか?という糸口を見定める事が出来るのでは?と思うのです。
ナイキでいえば、AIR JORDAN 1よりも名前もよく知らないパフォーマンスモデルの方が実売額も多くてナイキにとって欠かす事の出来ない商品かも知れないのです。

少ないものの方が良くて、多いものはそうではないという風潮は…ユーザーが希少性でしか価値判断が出来ないのか?もしくは希少性以外に魅力を感じる事が出来ない商品しかないのか?はたまた、その両方なのか?

私はスニーカー業界の中の人ではありませんが、足数の制限をせずともたくさん売れてたくさん儲かる商品こそが本当のヒット商品じゃないのか?と思うんですが…。

日本国内に限っていえば少子化による産業規模の縮小。世界的にはコロナ禍による消費減退を前に需要と供給のバランスを意図的に崩した煽り商法しか今は成す術がないのかも知れません。ただ、それもいつまで通用するのか?
2021年はそんなネガティブな事ばかり考えながら始まってしまいました。

例えば「2020年に購入したスニーカー」「着用回数の多いスニーカー」「これから欲しいスニーカー」「お薦めスニーカー」「女の子に履いて欲しいスニーカー」というタイトルのベスト10やトップ10というのは、あくまでも個人的な主観によるもの。中にはプレミア価格の高いランキングなんていうのも考えられますが、プレミア価格も妄想と幻想によるところが大きいのでマネーゲームの様なもです。

因みに上の画像は私が2020年に手に入れたスニーカーの一部です。どれもに思い入れがあって甲乙をつける事はできません。便宜上、順位を付けたとしてもそれは私の主観とその時の気分によるものなので、それを見せられても「ふ~ん」で終わっちゃいますよね?(苦笑)。

最後に今回のテーマに対して身も蓋もない事を言うと『人様が心血を注いで世に送り出した作品に対して順位を付けるとは如何なものか!』という疑問を常に抱えながら仕事をしていた…そんな時期もありました。

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