
CO.JP from the user’s perspective -2-
最近、地上波の情報番組でも取り上げられていましたが、スニーカー投資だの100万円を超えるだのという部分ばかりがフューチャーされていて、正直がっかりしました。
そういうのを見ると本当にスニーカーが人気なのか?本当にブームなのは「転売」であって、ゲーム機器やソフトと共にスニーカーはその対象のひとつに過ぎないのではないか?と疑ってしまいます。
という愚痴はこれくらいにしてCO.JPについて思う事を前回に引き続き…少し書いてみたいと思います。
■ユーザー目線によるCO.JP誕生の背景
1997年にハイテクスニーカーブームが終焉を迎え、世に言う?スニーカー冬の時代が到来します。
それは私の様な1ユーザーにとっては盛り上がりに欠けて寂しいなぁと感じる程度のものでしかないのですが…スニーカーの販売を生業にしているショップやメーカーにとっては死活問題である事は疑う余地もありません。
当然、冬の時代から抜け出す為の懸命な努力がユーザーには見えない所で繰り広げられていたはずです。
そんな時にスニーカー人気復活の兆しを感じられたのが1998年のNIKE DUNK復刻と1999年の上野シティアタックと称された裏ダンクのファーストデリバリーでした。カラーブロックを反転させたを通称 裏ダンクに対し(例外的にミシガンカラーのローカットは反転していない方も裏ダンクに分類されていました)、オリジナルのカラーブロックを踏襲した比較的販路の広いクイックストライク展開のNIKE DUNKを表ダンクと呼ぶ様になりました。

裏ダンクの第1弾は、1999年8月に東京のみでの展開でしたが…同年10月から12月までの3ヶ月に渡ってリリースされた裏ダンクは、表ダンクとなるクイックストライが入荷するショップの一部でも取り扱われ、東京以外のエリアでも販売されることになりました。
裏ダンクの頃はまだCO.JPという日本企の名称が未だなかったのか?ただ公表されていなかっただけなのか?それとも今の様に情報伝達のスピードが早くなかったせいで一般には伝わっていなかったのか?は定かではありませんが…以前、関係者の方から聞き齧った時の記憶が間違っていなければ、実質的に裏ダンクがCO.JPの始まりだと認識しています。

『CO.JPの中期頃からグローバル展開されたものをCO.JP扱いでリテーラーにデリバリーされる様になり、厳密な日本限定ではなくなって行ったのでユーザーとしてはそのコンセプトが見え辛くなって行きまいました。その要因は様々ないわゆる大人の事情が絡んでいるのだと思います』
思い返せばCO.JPとは優秀なマーケティングスタッフや営業マンがエンドユーザーと日々接しているリテーラーのオーナーやスタッフとのコミュニケーションから得た情報から当時の日本人ユーザーが何を求め、何を受け入れるのだろうか?という事を的確に予測した極めて優れた企画だったのだと思います。
ただ残念ながら、そのCO.JPを世に送り出したスタッフ陣の大半は、数年前の北米での業績低迷の打開策として講じられた事業再編によってナイキを去られてしまっています。
それ故かも知れませんが、昨今展開されているCO.JPのリバイバルは…ユーザーとしてかつての名作を再び手するチャンスが得られる(チャンスだけで終わる事が多いですがw)ので喜ばしい事である反面、先人が作り上げた過去の遺産で相撲を取ってるだけの様に私の様なオールファンの目には映ってしまいます。
★CO.JP取扱店に配布されたカタログの一部★

因みに10月23日にSNKRSで発売されたAIR JORDAN 1 HIGH OG CO.JP Midnight Navyは…2001年6月に日本限定で発売されたAIR JORDAN 1 (2001 ADDITION)とその後にグローバル展開されたAIR JORDAN 1 RETRO +を足して2で割った様な復刻で、SNKRSのオフィシャル説明文に「オリジナルバージョン同様、高級感をアップさせるメタリックシルバーのブリーフケースに収められた状態で販売される」と記されていますが、これは事実と異なります。
確かに先に発売されたシルバーグレーのAIR JORDAN 1 (2001)のオリジナルはメタリックシルバーのブリーフケースに収められていましたが、今回のMidnight Naxyのオリジナルとなる上記2足は何もマイケル…ジョーダンの顔がデザインされた紙箱に収められて販売されていました。
★CO.JPもしくはCO.JP扱いで発売されたモデルの一部★

これは当時を知るスタッフさんがいなく(少なく)なった事による間違いかも知れません。私の様なオールドユーザーの事は別にいいのです。ですが、これからのスニーカーマーケットを支えるであろう若きユーザー達に間違った過去を教える様な行為は、どうか回避して欲しいと心の底から念じずにはいられません。
温故知新…正しい過去を踏まえてこそ、新しい健全な時代が切り拓かれます。
そして、いくらデジタル化が進もうとも、スニーカーを履きウェアを身につけるのは人(アナログ)です。人(人材)には心(意思)があり、その思いからユーザーの胸を打つような商品が生まれます。
【追記】10月29日の時点でオリジナルもシルバーのブリーフケースに収められて販売されたという部分は削除されました。
※指摘されたから?なのかは分かりませんが、事実と異なる事を訂正削除したのは大いに評価したいと思います。ただ、何故その様な恥ずかしい事になったのか?
合理化も…過ぎたるは及ばざるが如し!
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