ナイキファンの心得?

TEXT by UEDA Koji (Alternate Sneakers)

3月9日、atmosの店頭抽選で良番を引けずマイサイズではないものの撮影をしたい一心で最後に残ったUS11を購入したNIKE DUNK HIGH ALL STAR。その後、やはり履くことは出来ないのでインスタのフォロワーさんにお譲り(もちろん定価で)したわけですが、タイミングよくSNKRSの早朝リストックで許容範囲であるUS9.5をGOT’EM出来たのが4月25日。注文確認の通知もあったので通常であれば翌々日の27日に届くはずが28日になっても届く気配も、発送完了のメールも来ず。緊急事態宣言下なので遅延が発生しているのかも?と思いながら待てど暮らせどアプリ上では「ありがとうございます。ただいまお手続き中…」の表示のまま。
そしてオーダーから10日後の5月10日に痺れを切らしてカスタマーに電話をしました。
注文番号を伝え調べてもらった結果「誠に申し上げにくいのですが、あってはならないことなのですが在庫に不一致があり、商品をご用意することが出来ません」という回答。
えぇっ?とは思いつつ、電話口のカスタマーの方に責任はなく苦情を言うのは忍びないので「仕方ないですね」と伝え、その場でキャンセル処理をしていただきました。
在庫1足に対して同時に複数の注文受付け処理をしたアプリに問題があったのです。
そのスニーカーが買えなかったからといって死ぬわけではないので後ろ髪を引かれる様なことはないですし、電話越しに謝るカスタマーの方が気の毒なので快く引き下がりましたが、一言だけ言わせていただくと…。
「ナイキさん、小売を舐めてませんか?!」

さて、前置きはこれくらいにして、今回のテーマは『ナイキと長く付き合う上での私達ユーザーに課せられた?(笑)心構え』です。
初めに言っておきます。これはナイキさんをディスる内容のものではありません。むしろ逆でナイキが好きだからこそ、私達ユーザーが呑み込まないといけない事柄を再確認するためのコラムです。

私達ナイキファンにとって最も頭を悩ませることのひとつにスニーカーの製造クオリティがあります。接着剤のはみ出し、汚れや傷、雑なステッチ、形成の歪み等…数え上げるとキリがありません。
足数が少ないといっても全世界で販売するわけですから、数千足から数万…場合によっては十万足以上の大量生産なので、先に挙げた不備を伴うものが出てくるのはある意味仕方のないことなのだと思います。ただ、その比率が他メーカーに比べて多い様にユーザーからは見えてしまいます。
それは工場から出荷され市場に届くまでの間に殆ど検品されていない?からか、ナイキが定める正常品としての基準が低いから?なのか…。

また、これは20年以上前に聞いた話なので現在もそうなのかは定かではありませんが…製造コストを抑える為に工場や生産国を次々に変えるので、製造技術が熟練する頃には別の工場に移すのでいつまで経ってもクオリティが低いのだと。もし製造クオリティを上げるなら今の価格では販売できないという言い分もメーカー側にはあるのかも知れません。
なので、私達ユーザーは接着剤のはみ出しや少々の傷はナイキクオリティと揶揄しながらも甘んじて受け入れなければなりません。
ですが、1足10,000円から30,000円の金額を投じるのですから出来れば不備のないものを手にしたいと思うのは道理として間違ってはいないはずです。
多少の汚れがあったとしても店頭で自分の目で見て確かめて納得して買うならまだしも…通販で購入した場合、届いて開封するまで安心できないのが実情。本音を言えばそんなスリルは味わいたくはありませんよね?(苦笑)。
SNKRSやドットコムで購入した商品に何らかの不足があった場合、送料をメーカー負担で交換や返金をしてもらえるのは有り難いシステムではありますが…足数を制限しパイプ化したモデルは交換品がないことが殆どで、返金でしか対応してもらうことが出来ません。故に返金ではなく、泣く泣く不備のある商品で我慢するというユーザーも少なくありません。
更に、カスタマーセンターに電話をし、声を荒げたとしても何の解決にもなりません。電話に出られる方々は予め与えられたマニュアル通りの範囲でしか対応出来ないし権限もないのですから。
苦情や要望の声は担当部署に回るのでしょうが…そこでもどうすることも出来ないのだと思います。何故そう思うかというと、どうにか出来るなら四半世紀前に既に改善されているはずですから。
SNSで製造品質的に問題ありと思う画像を募ったところ、短時間にたくさん提供していただきました。ご提供くださった皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
これらを軽微と捉えるか重大と捉えるかは人それぞれで違うと思いますが、ユーザー心理としては残念に思うものばかりです。

製造工程で発生する不備以外にもタグやシールが二重に付いていたり(ちょっと得した気分?w)やシューレースの長さが左右で違っていたり、両方右足用もしくは左足用のスニーカーが入っていたり…付属品(例:OFF-WHITEの代名詞でもある結束バンド風のプラタグ)が付いていないという実例もあります。

もう一度言います。
接着剤がはみ出していたり、汚れが付いていたりという製造品質も含めてナイキなのだと理解し、半ば諦めなければ…ナイキとは長く付き合ってはいけません。
何より精巧さを求める日本人気質とアメリカ人の気質は違うので相容れることは困難です。
これがナイキのファンになった者の宿命なのだと肝に銘じておかないと、やってらんないですから(苦笑)。

あ!そこの人!
「やっぱりディスってんじゃん!」
と言っちゃダメですよ(笑)。

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