
AIR MAX 95 Red Gradation
TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers)
和柄の桜をシャンク部分やヒール等にデザインしたAIR MAX 95 QS SAKURA | DH9792-100が8月16日に発売された。
マテリアルやギミックに違いはあれど、ぱっと見で連想するのは赤グラデの愛称で知られるAIR MAX 95。
赤グラデはこれまでに何度か復刻されていますが、オリジナルは1995年12月に発売が開始(インラインモデルであり当時は発売日が明確に定められておらず、1995年12月から1996年4月頃まで出荷されていた)されました。同時期の主なモデルにはAIR JORDAN 11や目玉ズームという俗称で親しまれたAIR ZOOM FLIGHT 95などがあります。







今回、その初期ロットであろうと思われるオリジナルが手元に残っていたので、引っ張り出してみました。
大切にし過ぎて、結局おろすことがなく…ミッドソールは加水しひび割れ、少し力を加えると崩れてしまう状態になっています。アウトソールは剥がれかけ、エアユニットに至っては曇るを通り越して最早別モノと化しています。
器用な方ならば現行のAIR MAX 95を手に入れリペアして履けるようにされるのでしょうが、私の場合…例えソールが完全に崩れたとしてもオリジナルパーツのまま置いておきたいので、このままの状態で更なる崩壊を見守りたいと思います(笑)。

この当時の製造品質は今よりも更に劣悪で歪な縫製、接着剤のはみ出しや飛び散りは当たり前でツーリングとアッパーが垂直に付いていなかったり、ミッドソール内のエアユニットが突起してインソールを通じて踵骨(しょうこつ)が痛くなるという明らかに不良品と言わざるを得ないものが少なくありませんでした。それに比べると現行モデルはエアユニットがマイナーチェンジされ、縫製も随分と改善されています(あくまで当時と比べると…という範疇は超えませんが)。

しかしながら面白いもので、25年以上経ち…骨董品化するとその粗雑な作りに趣を感じる様になるので不思議というか、人間の感性ってうつろいやすく曖昧だなぁと、つくづく思います。

今回、発売されたAIR MAX 95 QS SAKURAはシャンクやインソールに桜のグラフィックが施され、ヒールのリフレクター部分は光が反射すると桜が浮び上がる等、面白いギミックが随所に搭載されていて存外よい感じです。
今、AIR MAXが売れないと聞きます。でも、人気に左右されず人が買っていない時に買ってそれを続けていると20年後には変態(偏愛)認定(苦笑)されるので、それはそれで楽しみかも知れませんよ。
