
Quarter of a cenury
今年、2025年はatmosさん(以下ショップ及び企業名は敬称略) が25周年を迎える。 1号店が原宿にオープンしたのが確か2000年7月の事。当時は正規アカウントを持つショップも並行輸入品を扱えていた時代でしたが、並行輸入専門のチャプターを運営する会社(テクストトレーディングカンパニー)がリーボックに加え、ナイキのしかもランク上位のアカウントを取得して正規品専門の新店をオープンするという事は…私の知る限り過去に類を見ないセンセーショナルな出来事でした。
一言で「25年」といっても、その歳月は決して短いものではなく、当然その期間には良い時期もあればそうでない時期も一度や二度ではなかった事は想像に難くありません。まして2000年はスニーカー市場が未だ厳しい最中。なのでブームに便乗した楽な船出ではなかったはずです。 そういう意味でも25年間にatmosで働き支えて来られた全てのスタッフさんに祝意を表したいと思います。
Congratulations on atmos 25th anniversary!
atmosが歩んで来た25年の歴史は、外部の私の視点で容易に語れるほど浅くも軽くもなく…何より憶測や推測を交えると中途半端になり、事実との齟齬が生まれる可能性があるので控えますが…1号店がオープンした2000年のスニーカー市場がどんな状況だったのかを記憶を辿りながら、ほんの少しですが振り返ってみます。
■1999年以前
ナイキ、アディダス、リーボック、プーマ、ニューバランス等…各ブランドが誇る機能性に加え、ユーザーがファッションとしてスニーカーを取り入れる大きなきっかけとなった1995年半ばから1996年にかけてピークを迎えた(ハイテク)スニーカーブームが、1997年に入り僅か半年足らずで一気に終焉。


その後、AIR MAX 95の初復刻やフットロッカーのAIR MAX PLUSなど、ピンポイントで盛り上がりを見せるもスニーカー市場全体を引き上げるムーブメントには至らず、今も語り継がれる「スニーカー冬の時代」が続いて行きます。

ブーム終焉から2年後の1999年8月。東京上野限定で登場した裏ダンクは、土俵際まで追い込まれたナイキジャパンが起死回生を賭けた日本企画であり、小売店や雑誌メディアも「もう一度スニーカーを盛り上げる」という強い思いで挑み、一定の成果をもたらします。 前後して、ブーム全盛期を迎えていた裏原ストリートファッションとの協業を試み、ナイキでは東京プロモーションチームが立ち上がり…それまでスポーツ一辺倒だったビジネスからライフスタイルへとターゲットを広げる事になります。 その動きはナイキだけでなく、有名どころでは例えばニューバランスのMT580に代表されるストーリーブランドとのコラボレーション全盛期を迎える事になります。

■西暦2000年(平成12年)
ナイキジャパンは裏ダンクに続く日本企画として新たにコンセプトジャパン(CO.JP)をスタートさせ、グローバルレベルではAIR PRESTOの一大キャンペーンが実施されました。オリンピック(シドニー)イヤーであった事を差し引いても、私の記憶ではあそこまで経費をかけた大々的なキャンペーンを今日に至るまで見た事がありません。


2000年に入っても、一線の光明が見えたとはいえ厳しい状況は継続。残念な事に2000年春にフットロッカー(当時はフットロッカージャパン)が約3年余りで日本から撤退。並行店も主だった所を除いて多くが閉店に追い込まれていました。 ️
方や後のNIKE Skateboardingに繋がるNIKE DUNK PROやNIKE DUNK PRO Bが登場し、AIR JORDANの復刻に伴うRETROシリーズに加えて、今尚復刻が熱望されるアルファプロジェクトシリーズが始まったのも1999年から2000年にかけての事です。 そして、2001年の元日には7年ぶりのAIR JORDAN 1(AIR JORDAN 1 2001 LMITED EDITION))が発売され、ターミネーターカラーを纏ったatmos提案のAIR FORCE 1、NIKE DUNK LOW(いずれもCO.JP)へと繋がって行きます。




かなりすっ飛ばしてしまいましたが、「IT革命」が流行語大賞になった2000年はatmosにとってスタートの年であると共に、スニーカーシーンにとっても大きな分岐点となりました。
以前にもお話しした通り、atmosは日本に5店舗あったフットロッカーが全て閉店した数ヶ月後にオープンしたわけですが、そのフットロッカーとatmosが2021年にひとつとなり、2022年に誕生したフットロッカーアトモスジャパンとして25周年を迎えるという不思議な巡り合わせ。この節目を自らの目で見る事が出来る幸運に感謝すると同時に…創業当初からコミュニティの創造に重きを置くatmosが4月に開催するatmos con以外にも、きっと用意しているであろう25周年プロジェクトに期待が膨らみます。
「atmos is yours これまでも、そしてこれからも」


