
3rd anniversary
TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )
Alternate Sneakers+(過去ログは残ってないみたいです)というタイトルでatmosさんのサイト内でコラムを書き始めたのが2020年6月からなので、ちょうど3年が経った事になります。翌年の3月末からatmos university内に場所を移し…今回で通算95回目となります。
3周年です。だからといって何かあるわけではありません。atmosさんからご褒美があるわけでもありません(笑)。ただ淡々と、そして粛々と続けるのみですので今回も何卒、宜しくお願いいたします。

もしあの方がいれば
「記念Tシャツ作って売ってもいいですか?(^-^)」
と仰りそうで
「売れずに赤字になりますから、やめてください(>_<)」
と私が返答するというやり取りがあったかも?ですが(笑)
そういえば、atmosさんのスタッフさんで私のコラムを読んでくださっている方は何人くらいいるのでしょうね?きっと30代以下の方は私が何者なのかはおろか、存在すらご存知いただけてないのだろうなと思う時が時折あります(笑)。
さて、そんなどうでもいい話はさて置き…6月になったので5月を振り返ろうと思うわけですが…前回、約8ヶ月ぶりに上京した時の事を書いてしまったので、とりたてて何もないというのが正直なところ。
強いてひとつ挙げるなら、帰阪した3日目辺りから腰痛となり、それが未だに続いている事くらい。原因は東京での3日間、無理な過密スケジュールを立ててしまったせいなのは明白。日頃の運動不足と寄る年並みを自覚していなかった事を反省している次第。

前置きが長くなってしまいました。
ここからはナイキさんについて少し書かせていただきます。
例年、ナイキさんは決算月である5月が近づくと怒涛のリリースラッシュに加え、合間なくセールが続くというパターンが恒例になっているのですが、今年はそれをあまり感じられなかった様に思います。
以前なら6月に発売予定だったモデルが4月後半から5月にかけて前倒しで発売される等の動きが見られたのですがそれもなく…セールは3月中旬にメンバー限定で30%OFFがあり、直後に40%OFFを実施。5月には15%OFFセールもありましたが、年間を通して予定され実施されるいつものルーティンの域を超えていません。
何故だろう?と少し考えてみました。
以下はあくまで短期間の限られた状況を見ての判断なので必ずしも正しとは言えませんので、その点をご了承ください。
店頭だけでなく、直販アプリ「SNKRS」や「ナイキオンライン」を見るとタイムラインにいつまでも残っている商品が多くあります。ですが、それは全く売れずに残っているという訳ではなく、大量生産とD2Cシフトによる分母たるストック数が多いからだと考えられなくもありません。
もしそうだとすると、在庫が長期に残ってはいても…想定した数字(売上げ)を達成出来ている為、前倒し発売や極端なディスカウトセールの必要性がなかったのかも知れない。
ところが、ナイキの株価が下がっている(2023年6月1日時点)のは…在庫過多のニュースや極東エリアのドル箱である中国経済の減速が要因のひとつになっていると考えられます。

それを踏まえて今年の中盤から大幅な減産プランを発表したのでしょう。
また、過去の遺産ともいうべきプロダクトの復刻を繰り返している事を見直す的なニュースもあった様ですが…現場を知る世のスニーカーヘッズの方々にとっては、そんなのは4年も5年も前から分かっている事で何を今更?と苦笑いをした方が大勢いらっしゃると思います。更には幹部を交代させるというのもある意味、株主に対するパフォーマンスのひとつだと私個人は捉えています。
現在、抱えている在庫状態の影響が実際に出るのは来期なのかも知れません。ですが、何もせずただ手をこまねいているナイキさんではありません。上述の減産プランに加えて在庫を減らす施策を準備しているに違いありません。

創業以来、革新的な事を絶えず推し進めているというイメージがナイキにはありますが、私の様なオールドファンの目には2010年前後から徐々に始まり、SNKRSアプリが登場した頃に完全に変わってしまったという印象があります。企業規模が大きくなり、時代と共に変革する事は決して悪いことではありませんので、事の良し悪しを申し上げているわけではありません。
いわゆるZ世代の方々や2015年前後からナイキファンになられた方にとっては、現在のナイキが全てだと映るので、捉え方が違ってしまうのだと思います。
ただ、映画「AIR」で描写された事はエンターテインメントなので作品であるが故に全て真実ではないものの…あの頃のナイキと今のナイキをイコールだと捉えると、いろいろ間違いのもとになるだろうという事を、記憶の片隅にでも残しておいてください。
リテーラーへの直卸を減らし、実店舗を委託。日本に限らず、創業当初から2000年初頭にかけて入社したスタッフさん達が大量に抜け、直販という利便性には長けているものの無味乾燥なオンライン販売に傾倒。かつては小売店を介して身近な存在に感じられていたナイキがどんどん遠い存在になって行く。そんな感覚に囚われ、寂しくもあります。
フットウェア業界だけでなく他業種でもナイキ出身者の方々がネクストナイキのステージで目立つ目立たないに関わらず、着実に結果を残されているのを見ると、とても嬉しくもあり…ナイキさんは勿体ない事をしたなぁと思う訳です。

最後に
「過去の事柄は正確に伝えましょう」
