信じるか信じないかはあなた次第

TEXT by Yuki Koike(VINYL Inc.)

ユーチューバーの「本日のくっく」による動画『【衝撃の結末】偽物スニーカーを鑑定に出したらとんでもない闇を暴いてしまった、、、』は、50万再生を超えるほど注目を浴びた。同時にプロの鑑定士が“明らかな偽物”を本物と誤鑑定したことで、ユーザーが震え上がったのは言うまでもない。2次流通の発展とともに偽物の流通量も増えることは想像に難しくないけれど、もう誰にも止められないのだろうか?先日、そんな話を本明さんとくっくさん、僕でしたのだけど、予想以上に興味深かったので記録しておく。

動画の内容をおさらいすると、くっくさんがメルカリで買った通称“チェリーダンク”から偽物のにおいがプンプンした。だったら本物か偽物かをはっきりさせようと、いくつかのスニーカーの鑑定サービスを試してみたというもの。結果的にスニダンのプロによる鑑定サービスが、“偽物”を“本物”と誤鑑定してしまった。正規品の“チェリーダンク”はアッパーの素材がヌバック(起毛革)であるものの、くっくさんの所有する偽物は、素人が見ても分かるほどのバキバキの合皮だったのだ。

ここからは僕たちの会話。

本明:くっく君の動画が話題になって以来、うちにも本物かどうか?の問い合わせが来るようになった。でもどこで買ったか分からないからなんとも言えないんだよね。本当に偽物多いから。

小池:スニダンの鑑定って以前から問題視されていたんですか?

くっく:そうですね。SNSとかでは偽物に限らず、全く違うモノが届いたとか左右違うサイズだったとか、いろいろと苦情を目撃していて。だから、そもそも鑑定しているのかって疑問を抱く原因はあったんですけど、それが今回、僕が発信したことで、大きく取り上げられました。

小池:自分で偽物の“チェリーダンク(中古)”をスニダンに出品して、自分で購入したんですよね。

くっく:そうです。鑑定の精度を確かめるためなので、誰かを騙したいわけではなく。話題になったあと、スニダンからはあくまでも“購入者”に向けた謝罪の連絡があったぐらいです。

小池:スニダンと合併前のモノカブだと本物を所有しているモデルじゃないと鑑定しないと聞きましたけど、中古の鑑定だとそうもいかないのかも。今回は、かなり履き込んだものでしたよね。

くっく:それがスニダンにとってはトラップでもあったと思うんですけど、素材自体が違ったので。

本明:あの“チェリーダンク”は明らかに偽物って分かるよね。

くっく:そこなんですよ、問題は。素人の僕でも一眼で分かるのに、“プロの鑑定士”が見て見抜けないのはやばいでしょ、と。

本明:モノカブ買収以来、スニーカーのリセールサイトはスニダン一強だからね。だから「フェイクバスターズ」と連携をやめて内製で鑑定していたけど、あの一件以来、「フェイクバスターズ」と再契約したらしい。そういう意味では、くっく君のおかげで鑑定士の仕事が増えたわけだし、偽物の流通が減るのはいいことだと思う。

くっく:僕に届いたアンチコメントの中に、「お前のせいで食えなくなったらどうしてくれるんだ」とかもあったんですよね。だから気付いていないものも含めて、かなりの数の偽物が流通しているんだと思います。でも本当にクオリティーの高いスーパーコピーだったら鑑定も通りますよね。日本で買った正規品の箱と黒タグだけ付け替えて、靴本体をスーパーコピーにすり替える場合もあるそうです。

小池:2次流通が盛り上がれば盛り上がるほど、巧妙化してくるんでしょうね。正規店で買う以外は、本物だと信じるしかない。

本明:僕も“トラビス”の本物とフェイクを並べて見比べたことがあるけど、分からなかった。

小池:本明さんでも分からないフェイクをスニダンはどうやって鑑定しているんですか?

くっく:それも疑問です。ユーザーは実際にどんなサービスをしているのか分かっていないので、本当に信じるしかないんです。

本明:だから、100%本物って言うから問題になるんで、99.5%とか、そういう謳い文句に変えるって言っていたよ。

くっく:中には通過しちゃうのがあっても仕方ないと思うんですけど、僕がやるんだったら仮に偽物を通しちゃった場合も「本物を買って保証します」ぐらいの自信を持ってやりたいし、その方が鑑定する側ももっと本気になるはずなんです。中国のリセールサイトの「ポイズン」では5段階の鑑定があって、中には特殊なレーザーで材質まで見ているみたいなんですよ。だからそれぐらい徹底するべき。まだまだ日本の鑑定サービスは発展途上だと思いますが、スニダンが見抜けない偽物なら仕方ないと思うぐらいになってほしいです。

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