
ぼんごとぼんことスニーカー
TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneaker )
本明さんと大塚の老舗おにぎり屋「おにぎりぼんご」の右近由美子さんが共同設立した会社こぼんごが、新宿に店舗1号店「ぼんこ」を出店。2023年1月16日からテイクアウトのみ、同26日からイートインでの提供を開始し本格的なオープンを迎えます。

image by FASHIONSNAP.COM
大塚の「ぼんご」に初めて行ったのは24〜25年前のこと。私は出張等で上京すると5回に4回は大塚駅前のビジネスホテルを利用します。
東京在住の方に大塚に泊まっていると言うと「あ、風俗店がたくさんあるしね」的な反応が殆どなんですが、私は一度も利用した事がありません。風俗に使うお金があったらスニーカーを買います(笑)。
元々、大塚に泊まる様になったのは山手線で原宿と上野の中間に位置し、どちらに行くにも約15分で行けるという立地条件が最大の理由。
上野に行けばmita sneakersさんや山男フットギアさんでスニーカーの撮影をさせてもらい、原宿に行けばチャプターさんやatmosさん、Limrted EDT.さんに立ち寄り、神戸出身のマスター(当時)がいるプロペラ通りのCAFE LUIGIに入ると取引き先と商談中の本明さんと阿久津さんによく遭遇した。
大塚は私にとってとても使い勝手の良い街だったんです。

更に大塚にはスニーカーに強いファッション誌「Street Jack」の出版社であるKKベストセラーズあって(当時)、編集長の石原さんや同誌で連載を持たれていたチヨダ(当時)の白土さんと会うのにも好都合な場所でした。

今は20数年前に比べて高層のビルも増え拓けたビジネス街に様変わりしつつある印象ですが、大塚駅前は路面電車(都電荒川線)も走る、いわゆる東京の下町の匂いがする所。飲食店も多く、特にラーメン店が多いイメージ。パチンコ店やボクシングジムがあったり、当時は昭和チックな喫茶店もあって個人的にはとても落ち着く馴染みのある場所になって行きました。
そんなある時、大塚駅(北口)を降り立ちホテルに向かう途中、大通り(都道436号)を挟んだ向かいに「おにぎり ぼんご」と書かれた白色の蛍光灯看板が目に入り、ホテルにチェックインした後に恐る恐る行ったのが最初。その頃から既に人気店で繁盛している様子でしたが、昨今の様に店外に常に行列が出来る程ではなかった様に記憶しています。
味は改めて説明するまでもなく、日本人が日本人たる故に感じるお米の味を引き立てるメニューばかり。以降、大塚に泊まる度に店内だけではなくテイクアウトを含めて、ほぼ毎回通う様になりました。

私が「ぼんご」を知った1年か2年後だったと思います。寺門ジモンさんが若い頃に通ったお店としてCS放送の番組で「ぼんご」をご紹介されていました。
原宿と上野のスニーカーショップに行く利便性を考慮して選んだ大塚の街に、たまたまあった「ぼんご」。20数年後にその「ぼんご」の女将さんと本明さんが共同で新会社を設立され新宿に「ぼんこ」をオープンさせるという不思議な面白い縁を感じずにはいられません。


定宿にしている大塚駅前の複数のどのビジネスホテルからも徒歩1〜2分に位置していた本店である大塚の「ぼんご」は昨年秋に移転(東京都北大塚2丁目27-5)されて若干遠くはなりましたが、次回上京の際には新しいお店にも行ってみたいと思っています。
