NIKE DUNK HÌ RETRO PRM “WU-TANG CLAN”
TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )
約1ヶ月ぶりのコラムになります。
実はAIR JORDAN 1 RETRO HIGH OG “Black Toe Reimagined”の店頭抽選の様子と併せて…手元にある2013年発売のAIR JORDAN 1 RETRO HIGH OG “BLACK TOE”(555088-184)と2016年発売の AIR JORDAN 1 RETRO HIGH OG “BLACK TOE”(555088-125)との比較を画像を交えながらコラムにしようと目論んでいたのですが、アプリをを何度見返しても残念ながら先行店頭販売の通知が私には届かず計画倒れになってしまいました(苦笑)。 その為、いつもより更新が遅くなってしまいました。
という事で今回は11月9日に発売されたNIKE DUNK HÌ RETRO PRM “WU-TANG CLAN”(HJ4320-001)について少し触れたいと思います。
ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)とは90年代前半より活動を開始したアメリカのヒップホップグループ。活動内容の概要やどれだけ凄いグループなのかは…ここで解説するまでもなくネットで検索すれば直ぐに分かることなので割愛いたします。
WU-TANG CLANを知らないからだろう!と思われる方もいるかもですが(笑)…私は元を辿れば音楽業界の人間。
少なくとも2000年以前のものについては、それなりに知っている方だと思います(昔の事なので忘れているものも多いですが)。 簡単に言うと新旧の邦楽や洋楽はもとより小唄、端唄、浪曲、民謡、クラシック、ジャズ、民族音楽各種の他、果てはお経のチャンネルまで凡そ世に出ている音源の殆どを使って…日夜スタジオに籠りコンテンツ(USEN440)制作をしていた時期があるからです。故にWU-TANG CLANも人様に自慢する程ではありませんが、仕事で聞いていたので存じ上げておりました。
それはさて置き、オリジナルのWU-TANG CLAN DUNKは36足のみ製造されF&Fで関係者に譲渡されたというのは当時の雑誌に掲載されていた内容。その真意を確かめる術は私にはなく、諸説という註釈を付けざるを得ません。
また、1999年に市販されていたNIKE DUNK HIGH LE 黒黄との違いはヒールサイドの刺繍とシュータンタグのみなので、20数年前の技術でも簡単に再現出来るシンプルなもの。それ故にアメリカではそれなりのフェイクが出回っていたとしても不思議ではありません。
実は何処の誰かは申し上げられませんが…F&Fで譲り受けたという方が所有していた未使用のオリジナルを撮影する機会が2006年にあったのですが、そのチャンスをある理由で逸してしまったという心残りが私にとってのWU-TANG CLAN DUNKの思い出になっています。
また、オリジナルは伝説のモデルと称されオールドファンにとっては憧れの存在ですが、2017年以降にNIKE DUNKを初めて知った方には黒黄(アイオワ)にワンポイント刺繍が入っだけという見方になるのかも知れません。
キャリアという表現が適切なのかは分かりませんが…オリジナルや初復刻の時代からNIKE DUNKが好きなキャリアの長い人は.ローカットとハイカットに優劣を付けませんが…先般のブームよりスニーカーを好きになった方の大半はハイカットには興味を示さないという傾向があります。
いつスニーカーに興味を持ち始めたのか、スニーカーとの関わりの深さにによって評価や向き合い方が異なるのも、スニーカーの面白いところだと私は思っています。
下記をご覧ください。
1999年のNIKE DUNK HIGH LE黒黄のスタイルコード 630335-071
1999年のNIKE DUNK HIGH LE黒黄 NYCのスタイルコード 630335-072
WU-TANG DUNKオリジナルのスタイルコード 630335-073(ネット上の情報より)
この様に上6桁のスタイルコード(630335)が全く同じなので、同じ仕様のものだと言えます。
NIKE DUNK HIGH LE(630335-071)とNIKE DUNK HIGH LE NYC(630335-072)の違いはシュータンタグとヒールサイドの刺繍のみです。WU-TANG CLAN DUNKのオリジナルもまたシュータンタグとヒールサイドの刺繍が違うだけです。
というわけでオリジナルのWU-TANG DUNKは1999年に発売されたNIKE DUNK HIGH LEの黒黄(アイオワ)がベースモデルである事はほぼ間違いないでしょう。
オリジナルのベースモデルがNIKE DUNK HIGH LE(630335-071)であるならば、今回の復刻とオリジナルではイエローの色味が違います。
これは今回のWU-TANG CLAN DUNKに限った事ではなく…レザーを染色する際、特にイエローやUNC等の淡いカラーを緻密に再現するのは難しいのと、きっと日本人ほど厳密な拘りがないので「だいたい似てればいいだろう」という感じなんじゃないかと思います(苦笑)。
それに、1999年のWU-TANG CLAN DUNKのベースモデルであるNIKE DUNK HIGH LE (630335-071)と復刻されたWU-TANG CLAN DUNKとはカラー表記も異なります。
最後に余談ですが、NIKE DUNK HÌ RETRO PRM “WU-TANG CLAN”(HJ4320-001)の箱は、黒の引出し式のタイプで…AIR FORCE 1等に用いられている汎用のものです。
この引出しタイプの箱がNIKE DUNKに使用される事は稀ですが、2016年に発売されたDUNK HIGH RETROの際も赤の同タイプの箱が使われていました。