7 very short columns -2022年12月-

NIKE SB DUNK LOW OG QS “Sandy”、Stussy × Nike Air Penny 2、HUF × Nike SB Dunk Low “City Pack”、sacai × Nike『Zoom Cortez SP等…コラボ他、一部のモデルは即完するも…その他はお世辞にも頗る好調とは言い難い2022年12月。

atmosさんでのコラムは前タイトルのAlternate Sneakers+ を加えると通算80回を超えています。開始時期はで2020年6月。ちょうど2年6ヶ月経った事になります。連ねた文字数は自らボツにしたものを含めると、ざっと30万字を超えています。何故、冒頭からこんな事を書いているかというと…書いてはやめ、書いてはボツらせるを12月になって繰り返しているからです。年に数回。こういう時期が周期的にやって来る。
なので今回は文体を統一せず、身近にあった事や思った事をショートセンテンスのオムニバススタイルで書こうと思いますので、宜しくお願いします。

◼20年後のNIKE DUNK HIGH

NIKE DUNKの人気が衰えはじめ、特に顕著なのはハイカット。オリジナルフォームであるNIKE DUNKより強いNIKE SB DUNKに至ってもハイカットは売れ残る様になっています。そうなると発売から短期間の内にセール品となり、やがてアウトレットに流れ…それでも売れないと廃棄される。セール品になるとスニーカーヘッズといわれるスニーカーカスタマー以外の層の手に渡り、履き潰され消費され仕舞いには捨てられる運命になるので、今存在するNIKE DUNK HIGHも NIKE SB DUNK HIGHも20年後には残存する数が減り、2020年前後のDUNKのハイカットはローカットよりも希少性が高くなる?そしてその価値もまた上昇しているのではないか?と…。人が買わないものを手に入れ、長く持ち続けるのも悪くないかも。
何故なら、それは過去のスニーカーの歴史が証明している。

◼加速する格差

格差については数回前のコラムにも書いた。
12月17日と18日にNIKE SBの20周年を祝う展示イベントが東京で開催されました。このイベント自体は素晴らしい試みだと思っています。
ただ毎回、同じ事の繰り返しですが…首都圏以外の者にとっては羨ましく思うと共に絵空事にしか映らない。10年前ならまだしもTwitter、Facebook、Instagram、YouTube、TikTokという5大SNSにより…情報がリアルタイムに伝わる事で、より強く格差を感じずにはいられなくなりました。
首都圏以外でも開催を…という様な事は暖簾に腕押しに等しいので言わない事にします。イベントに限らず首都圏では偶然やたまたまで得られるものが多い。地方では努力しても到達出来ない領域がある。つい先日、格差を感じざるを得ない事が私自身にも起こりました。ひとつひとつを詳細に説明するとネガティブが加速するので割愛しますが、首都圏と地方の差は地方に住んでみないと天地が逆さになっても理解できないと思います。その差はまるで大河が横たわるが如く深く大きい。そんな事はない!と思うのは、持つ者の尺度。持たざる者は指を咥えて傍観するしかない。
これは格差に対する不服ではなく、そういう現実が存在しているという事なのです。

SNSによって誰もが情報を発信できる時代。何もない事も情報であり現実なので、その事を地方から発信する人が増えて欲しいなと思います。そして何もなければコミュニティをつくるなり小規模であってもイベントを開催するなりして情報ネタを自ら作ればいい。

◼未来を担う次世代

12月中旬のある日の22時頃の事です。
コンビニエンストアの駐車場に中学生と思しき数名の男子が屯していた。足元を見ると全員がNIKE。そして、AIR JORDAN 1もしくはNIKE DUNKでした。薄暗くてよく見えませんでしたが、ハイプ系のものではなさそう。その10代の彼らの足元を見て、ブーム終焉が囁かれる今だからこそスニーカーシーンの未来が明るくあって欲しいと微かな期待を抱かずにはいられませんでした。
プレ値でなく定価かそれ以下で1足を入手し、大事に履き潰す。次の時代のスニーカーヘッズ達が芽吹いているのも事実。彼等の為にも虚飾のないストーリーを残したいですよね。

※彼らに声をかけて足元の写真を撮らせて貰えばよかったと今更ながら後悔しています。

◼SNEAKERS CULTURE ARCHIVES

12月14日、スニーカームック本「SNEAKERS CULTURE ARCHIVES -Alternate Sneakers 25th anniversary-」が発売になりました。この本…自費出版ではなく、出版社である株式会社マガジンボックスさんが発行する歴とした一般書籍。音楽業界に例えるならば、インディーズではなくメジャー発売されたCDと同じ扱いです。
スニーカーの写真のみで25年のスニーカー史を振り返るのではなく、各世代のキーマンの方からお話を訊き、その内容やその方に準じた或いは関連した代表的な200足のスニーカーを添えて「25年のスニーカーカルチャー」を振り返り、現在から未来へ繋げて行く。
SNEAKERS CULTURE ARCHIVESは、そういうコンセプトのスニーカームックです。

◼売れなくなったワケ

NIKE DUNKは売れなくなったというのが、殆ど全てのスニーカーファンが感じている共通認識。その理由は只ひとつ。出し過ぎなのです。古今東西…過ぎたるは猶及ばざるが如し。
ナイキさんは同じ失敗をまた繰り返すのか?
一方で別の捉え方をすると…その失敗もまた我々ユーザーの意識を別のアイテムに方向転換させるための戦略のひとつなのかも知れない。などという希望的観測をするのは私の甘さ?

◼最後は現場が勝つ

11月中旬以降、店頭をつぶさに見れていないので…いい加減な事は言えませんが、ウェブを見ている限りでは…コラボモデルやスペシャル感の強いモデル以外は芳しくない様に感じます。
2023年にも注目モデルがラインナップされているので、それなりのセールスを残すでしょうが…そうでない物が徐々に増え、気がついたらとんでもない状況になっているのでは?そんな当たって欲しくない予想が脳裏を過ります。
ウェブは便利です。ですが、リアルストアの重要性と同じく現場の空気感を肌で感じ、自らの目で見ないと得られないものもある。カルチャーとは数字が並んだデータで作られるものではなく…現場の、ともすれば非生産的に見える空気感、雰囲気の中でこそ育まれるもの。
そしてカルチャーのないレッテルだけのストーリーでは、後世に残る事はない。

◼私事ですが(苦笑)

どうやらというか、確実に辛口(毒を吐く)コメントのイメージが私に定着してしまっているのは承知しています。だからという訳ではありませんが毒を吐くのはエネルギーだけでなく、いろんなものを消費するので、余程の事がない限り今後は封印しようと思っています。ていうか元々、そういうキャラではないのですし(苦笑)。
何より私が物申さずとも、疑問に対し何故だ?おかしくないか?と考えてくれる人がSNSを通して増えたと感じたからです。
なので、私が毒を吐く必要性が低くなったというのが最も大きな理由です。
そもそも私が物申す相手は特定の個人に対してではありませんら、私は個人批判という愚行を冒しません。
多くの方は理解くださっていますが、同じユーザーやお世話になった方、懇意にしてくださっているショップ等が理不尽にも蔑ろにされている?と感じた時に頼まれもしないのに物を申させていただいて来ました。その事で解像度の違いから不快に感じられる方も出てくるだろうというリスクを覚悟の上での事でした。間違ってもユーザーを代表して等とは1ミリたりとも思った事はありません。
ただ、スニーカーを買えた買えない、プレ値が云々に終始するのではなく…目の前の事象がどういう理由でそうなっているのか?目に見える範囲のみで判断せず考え調べる。そういうスニーカーヘッズが増えて欲しいなと願っています。

以上、今回は脈略のない7つの項目について書きました。2022年も残すところあと僅か。次回は2023年の総括を私なりの視点から書いてみたいと思います。

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