節目

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )

■3年目
再三申し上げているのでもういいよ!と思われる方もいらっしゃることを覚悟の上で言いますと(苦笑)今回のコラムでatmosさんでのコラムを始めて丸2年を超え3年目に入りました。
ある意味、ひとつの節目もあるので…何かこう記念になる様な内容にしようと考えていたのですが、無理でした(笑)。
柄にもないことを考えるものではありません。
私は型にはめられるのが得意な方ではないので、書く内容も好きにさせてもらっていますし…特に期限(締切り)が設けられているわけでもないので、何とか続けられています。
ただある時、本明さんはじめ数人の方とでカフェで話していたら「上田さんに記事を週間で書いてもらってるんですよ」と笑顔で宣う本明さんを横目に…え?週間だったの⁈と心の中で叫んだのは言うまでもありません。

コラムを書くにあたって最も大きな難題は何について書くかなのです。それはきっと主婦の方が日々の献立に悩まれているのに近いのかも知れません。
何より私はatmosさんのスタッフでもなく、小島さんの様に日々メーカーの方やご同業の皆さんと接しているわけではないので、献立(テーマ)以前に食材(材料)に事欠く有様です。

というわけで、LINEや電話で伝えても流されてしまう可能性があるので…ここで要求(お願い)をします。本明さんはじめFoot Locker atmos Japan合同会社の皆々様、私に食材となる情報をください(笑)。そしてスニーカーの撮影もさせてください。その蓄積が種となり、新たな献立(テーマ)を決める材料になります。
■ブーム終焉のトリガー
5月のリリースラッシュは凄まじく、いろんな意味で疲労困憊した方も少なくないのではないでしょうか?
私自身も例外ではなく、スニーカーを追いかけるのではなく次々にやって来るリリースに追い立てられている…そんな錯覚を起こす1ヶ月でした。
おそらく5月に何を何足買ったのかを把握するのがちょっと怖く(笑)振り返らない様にしているそこの貴方!家庭内で益々、肩身が狭くなっているのでは?(苦笑)。

などと軽口を叩きましたが、店頭抽選後にレジ待ちで並んでいる時…分割払いでカード決済をされる方を何人もお見かけしました。そこで思ったのは、もしかすると無理してスニーカーを買われているのでは?と。
人様のことを慮れる様な立場ではありませんが…無理が続くと楽しいはずの趣味に苦痛が伴う様になり、スニーカーから離れるきっかけになり兼ねません。

ブームが終わるトリガーって、案外そうしたともすれば見落としてしまう様なことの積み重ねなのではないかと。
■好きに理由なし
稀に私に対してレジェンドだとか大御所などと言ってくださる方がいて有難い反面、そう呼ばれると終わりだと思っているので正直に言うと余り嬉しくありません(苦笑)。
だって歳を食ってはいますが、今もスニーカー好きは現役だからです。

長年、買い続けているからといってスニーカーにめちゃくちゃ精通しているかというと…全くもってそんなことはありません。発売され続けるスニーカーの背景とかストーリーを見せられても重要視せずに来ているので、直ぐに忘れます(苦笑)。
以前にも書いた様に誰がデザインしたとか何処とのコラボというのも私の場合、スニーカーを選ぶ際のプライオリティとしは下位に位置します。
では、最優先事項はというと…初見の際のインスピレーションなんです。言い換えれば余り深く考えていない(笑)。
デザイナーの思いとかストーリーは大切だとは思いますが「へぇ、そうなんだ」で終わります。

好きに理由はありません。好きだから好き。どこまで行っても好きは好き。
ただスニーカーが好き。

■気負うことなく
Alternate Sneakers(オルスニ)を始めたのは1997年9月です。90年代の社会現象になったとまで言われたブームが終わりスニーカー人気が急失速した頃です。
ぶっちゃけると、サイトを始めた理由は普及し始めたインターネットとはどんなものなのかを知る目的だったので、別にスニーカーの情報サイトでなくてもよかったのです。故にスニーカーを盛り上げようとか、楽しさを伝えようとか…そんな大義名分を掲げるなどゆめゆめなく、目立とうとか有名になりたいという志しの欠片さえありませんでした。
ましてやスニーカー業界に貢献しよう、貢献したいと大それたことを考えたこともありません。よしんば、少しばかりでも貢献したと言える様な真似事で出来ていたとするならば、私がこの世から去った後に第三者の何方かが評価してくださるものではないかと思っています。

コラム連載3年目がひとつの節目である様に、オルスニ25年(四半世紀)も節目なのですが、それを自ら祝おう、祝ってくださいというのも手前味噌では?と思うし性格的に気恥ずかしい感じが拭えません。
ただ、25年間…幸いにも多くのスニーカー業界で働く方々との出会いに恵まれたからこそ出来ることがあるのかも?と2年近く前から頭の片隅にずっとあります。もちろん、それは貢献とはほど遠いもので些細なレベルであると同時に私一人の力では形にすることは出来ません。良く言えばじっくりと時間をかけて。あるいは、のらりくらり、ぼちぼちと…。
スピードが大切なものもあれば、風を読み頃合いを見計らうことも大事だったりするんですよねぇ。

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