意外性がなければ面白くない。面白くなければ盛り上がらない。

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneaker )

年が明け間もなく1ヶ月以上が経とうとしています。スニーカーの状況はというと…昨年後半からの傾向で極一部の商品を除き、ナイキの消化ペースが鈍っているそうです
先日、東京で長年に渡って現場で販売を続けていらっしゃる方に

「過去、スニーカーが冷え込んだ時と今を比較した場合、肌感としてどんな感じですか?」

とお尋ねしたところ

「一部の商品が異常に盛り上がってはいますが、売れない商品は益々厳しい。二極化が更に進み、加えて定番商品の度重なる値上げが追い討ちになっていますね。今はインバウンド様々といった感じです」

との回答をいただきました。
但し、インバウンド需要が堅調なのは東京と大阪で、その恩恵を受けにくいエリアは本当に厳しいのではないかと思います。

リセールマーケットでの価格で良し悪しを決めるのではなく、スニーカーそのものの機能性や自分が履いて本当に似合うのか?という基準で選んでいく。私達ユーザーはその見極めを求められ、そしてメーカーやリテーラーはその提案が求められる時が来たのではないかと思います。

厳しい時期を幾度も見て来て思うのは、メーカーもリテーラーも最低限の売り上げを確保し潤い、我々ユーザーも落ち着いて欲しいものが買える状況が理想なのだという事。
何故なら、スニーカーが売れなくなりショップが減って活気が失われると…最終的に煽りをくらうのは我々ユーザーだからです。
このままだと最悪の場合、人口減少によってポテンシャルが低くなった日本のスニーカー市場に、ハイヒートなアイテムが投入されなくなる事だってあり得なくはないのです。

憂いたことばかり考えるのは過去を経験した老齢の悪い癖なのかも知れませんが、中国に極東エリアのトップの座を奪われ、消費もインバウンドに頼らざるを得ない現状に危機感を持つ人が少ない様に感じます。
世界に誇れる日本のスニーカーカルチャーとは昔の話なのです。

先日、ムービーと共に3月20日に迎えるSNKRSアプリ5周年を記念して様々なイベントやコンテンツを準備している旨の告知がありました。

勝手な想像でしかありませんが、イベントはきっと東京を中心にした首都圏での開催でしょうし、コンテンツも限定オファーやスペシャルムービー等で楽しませてくれるのでしょう。中でも殆どのユーザーが最も期待するのは人気モデルのリストックではないかと思います。
それはそれで良いのです。注視すべきはその後の事。下降し始めたスニーカー市場を再び上昇に転じさせるモーメントになり得るのか?それとも?
振り返るとトップダウン的なフェスティバルは、その時だけ盛り上がりは見せるものの…後が続かない。理由は明白なるも、それはまた別の機会に…。

そういえば、SNKRS 5th Anniversary の数日後の3月26日はAIR MAX DAY。
昨年は些かマンネリ化したAIR MAX DAYに一石を投じるかの如く「3月26日はADIMATIC DAY」とatmosさんがぶち上げ…逆にAIR MAX DAYが注目されるという側面がありました。
個人的には今年も「3月26日はADIMATIC DAY」をもう一度やってもらって買えなかったADIMATICのグリーンを再販してくれないかなぁと思っています(笑)。
でも、やっちゃうとナイキさんがまたお怒りになる?でも、そこは快く思わないかも知れませんがリーディングカンパニーの余裕というか「ほぉ、面白いじゃん!」くらいの懐の深さを見せて欲しいですよね。

意外性がなければ面白くない。面白くなければ盛り上がらない。

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