SHORT COLUMNS OF SNEAKER

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneaker )

■AIR MAXの謎【結論】
私達がAIR MAX 97 SSと認識していたこのモデルの名称がAIR MAX 96 IIであると広報されたのは発売から約20年後のこと。本家本元が96 IIというのだからそれは間違いないと考えます。

ですが、1997年FWシーズンに発売されたAIR MAX 97お1998年に発売されたAIR MAX 98が同じツーリングなので、エアユニットで年式を区分けしているという説は整合性がないのも事実。
そして、そもそも1990年代に発売されたAIR MAXシリーズのボックスラベルに記されたモデル名は95も96も97も98もなく、AIR MAXで統一されており、モデル名の後の年式はもちろんIIなんて後付けに過ぎないのです。例え当時から96 IIという名称がナイキ社内に存在していたとしても…それを公に発信しなかったことに全ての疑問が起因するということになります。

なので96 IIのことを整合性を考えてより正しく識別し呼称するならば「1997年SSシーズンに初登場のAIR MAX」となり、新幹線をモチーフにしたとされるAIR MAXも「1997年FWシーズンに初登場したAIR MAX」ということになるので、とても面倒くさい(苦笑)呼び方をしなければならない羽目に…。
いずれにしても諸悪?の根源は20年近く96IIという名称を公式発表しなかったナイキの怠慢でしかないといわれても仕方ないですよね。

■日本における過去のNIKE DUNKの状況
ハイテクスニーカーブームが終わり、定価18,000円のAIR MAX 98が5,000円にプライスダウンされても売れない冬の時代にあって、暫くぶりの明るい兆しを作ったのはNIKE DUNKの初復刻と事実上CO.JPの第1弾である裏DUNKの登場だったと認識しています。

ですが、それは決して爆発的なものではありませんでした。

当時、ネットを自在に使える人口が少なく、雑誌によって情報を得る人が大半だったので…今と比べるとその熱量の広がりは限定的なもので止まってしまったのだと思います。
それに追い討ちをかけたのが多色、異素材を乱用したリリースラッシュ。いつでも何処でも目にする様になるとユーザーは選び考え過ぎて、結果買わなくなる。

※この時期はNIKE DUNKだけでなく、AIR JORDANシリーズも多種多様なバリエーション展開が続いた為に人気は色褪せて行きました。

加えて、2002年に登場したNIKE DUNK SBの人気上昇と反比例する様にレギュラー仕様のNIKE DUNKへの注目度は更に下降の一途を辿ることになります。
日本での最初のNIKE DUNK SBの展開はSupremeのみで始まりました。

間もなくして全国約20数店舗のスケートボードのプロショップでも取扱いが始まりましたが、何処もそれほど大きな規模ではなく、各店の入荷数も20数足程度だったと把握しています。故に国内における当時のNIKE DUNK SBの正規流通数は他のモデルに比べて極めて少量でした。

記憶が定かではないですが、2005年頃でしたでしょうか?Supremeでの展開がなくなった辺りから徐々にNIKE DUNK SBへの注目度も低くなり…その後、10数年に渡って低迷を続けることになります。この間も頻繁ではないもののNIKE DUNK SB、レギュラー仕様のNIKE DUNKのリリースは続けられていましたが、ユーザーはセールやアウトレットに流れる存在という認識をするに至ります。

現在のNIKE DUNK及びNIKE SB DUNKシリーズは少ない足数で多色展開されています。これはAIR JORDAN 1 RETRO HIGH OGにも当てはまります。

その為、各々のプロダクトは入手困難ですが…トータル的にはレアとは対極的な数量になっていることを改めて認識しておくべきかと個人的には思っています。

■ローカットが人気?ハイカットが人気?

NIKE DUNKはローカット、AIR JORDAN 1はハイカットの方が人気が高いという状況を見るとハイカットよりもローカットの方が脱ぎ履きの多い日本文化において適しているという見方があるものの、それは人気不人気の決定的なロジックではなく…以前にハイプ化したNIKE DUNKがローカット、AIR JORDAN 1はハイカットだったということではないかと。私達ユーザーは無意識にそのことに引っ張られているだけなのかも知れません。

■歳のせい?
欲しいスニーカーが正規価格で買えなかった場合、その直後にリセールプラットフォームで購入するというプロセスを当然のこととして受け入れ実践している人が多いことに感心し、凄いなぁと思う。
私にはその情熱や財力はない(苦笑)。
また、入手困難なレアスニーカーやマニア垂涎といわれるスニーカーを扱うリセールショップにも殆ど行くことがありません。何処に行くというあてもなく、たまたま前を通りかかったら立ち寄るということが数年に1回くらいありますが…入店して1〜2分で出てしまうというパターンです。
リセール市場は今のスニーカーシーンには欠かせない大切な存在だと思っていますが、何故か個人的に興味がありません。特段、深い意味や拘りがあるわけではなく…。歳のせいか?それとも財力がないからか?(苦笑)。多分、両方です。
■今と昔を横並びにするのは?
アニメ「君の名は。」や「鬼滅の刃」の映画興行収入が歴代記録を更新したとニュースになったのは記憶に新しいところですが…それを30年前の映画作品と比較するのは些か疑問があります。何故なら映画館1館に1作品という上映スタイルだった時代とひとつのシネコンで同作品を複数のスクリーンで上映出来る今とでは条件が全く違うからです。
それはスニーカーにも当てはまり、紙媒体が情報の大半だった時代と高速で情報処理が出来るネット回線により誰もが容易に情報共有可能な今とではその量や伝達スピードに雲泥の差があります。
現在、世界的なスニーカーブームと言われてますが社会現象といわれるまでに至っていないのは、人気とされるスニーカーを追い求める人口がそれほど多くないからではないかと…。
ネットが一般化しSNSが普及した今のブームが生み出す数値と、そうではなかったかつてのブームの数値を横並びに比較するのはナンセンスなのかも知れません。
■狩猟型とパワーアンバランス
以外は個人の視点から見た私的な所見というか、ふと頭に浮かんだ思いつきの範囲のものであることを前提にお読みくださいm(_ _)m。

ナイキの販売戦略は狩猟型だと思っています。
売れると判断したモデルは売れなくなるまでとことん作る。狩り過ぎて根絶やしを繰り返す。故にユーザーが世代交代するまで復活しない。もしかするとNIKE DUNKがそれかも?と思ってしまった次第。
また、直販は卸すより利幅が多いのは誰が見ても明らか。直販EC強化も根こそぎ捕る網漁法みたいなもの。これらは利益追求の観点から至極合理的な方法。さすがナイキさん。
ただ、それって株主しか見てないんじゃないなかなぁ?ユーザーに対しては気に入らなければ返金すればいいでしょう?で全て解決と思ってるんじゃないなかなぁ?

今の力関係って

メーカー(NIKE)>リテーラー>ユーザー
ですよね?

大昔は
メーカー(NIKE)<リテーラー<ユーザー
だった。

でも、あるべき理想の姿は
メーカー(NIKE)=リテーラー=ユーザー
だと思うんです。

アンバランスな力関係の先にはマーケットの崩壊しかない様な気がするのは取り越し苦労でしょうか?

現在のスニーカー人気がいつまで続くのか?
ずっと続くことに越したことはない。
しかし、そううまくは行かない。
だとしたら、次に来るのはかつての様な底の深い冬の時代ではなく…せめて秋の時代であって欲しい。
その為にはナイキ以外の台頭が不可欠。
■今がチャンス?
NIKE DUNKの人気がひと頃より落ち着きを見せていると捉えている人がいます。
もしそうであるならば、買い時です。
投資目的のみで買うのなら別ですがコレクションとして集めているならば…人が買わなくなった時に買うというのも一計。
因みに私はあれこれ考えず(何も考えていない? 笑)初見で惹かれたものだけを買い続けて来ました。

また、売れるものと売れないものが明確に分かれている。そして売れるものの中でも売れない、売れにくいものが出始め…NIKEの勢いにも翳りが…と捉えられる状況も散見します。
他メーカーさん、今がチャンス!つけ入るタイミングは今かも知れないですよ。

以上、面倒くさいことを言うスニーカーが好きなおじさんのショートコラム(独り言)集でした。

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