AIR JORDAN 5 TOKYO23 | SPIZIKE LOW PRM “Varsity Maize”

2024.05.15

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )

【JORDAN SPIZIKE】

ジョーダンブランドとスパイク・リーの共同企画によりAIR JORDAN 3、AIR JORDAN 4、AIR JORDAN 5、AIR JORDAN 6、AIR JORDAN 9の各ギミックを融合させたハイブリッドモデルとして2006年に登場。

ヒールにはスパイク・リーが脚本、監督、主演を務めた映画『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』（1986年）で彼自身が演じた登場人物マーズ・ブラックモンのアイコンが左側に、同じくスパイク・リーの映画製作会社「40 ACRES AND A MULE FILMWORKS」のロゴが右側にそれぞれデザインされています。

2006年から数年に渡り数多くのハイブリッドモデルが登場しましたが…この頃から裏原ストリートファッションブームと共に勢いを取り戻していたスニーカームーブメントに少しずつ翳りが見え始めていました。それもあってハイブリッドモデルの多くはそれほど好セールスを残せていない印象が強いのですが、JORDAN SPIZIKEだけはそのバランスの良いデザイン性から高く評価されていました。

補足としてマニアックな話をすると…2006年の初登場時から2009年までのボックスラベルに記されたモデル名は「JORDAN SPIZ’IKE」。2010年以降はアポストロフィー「’」が省略されて「JORDAN SPIZIKE」と記される様になりました。

また、読み方（カタカナ表記）は当初ユーザー間で広まった「スパイズイック」から始まり2009年頃の黒タグには「ジョーダンスビズィーック」と表記されている他「スピジーク」等を経て現在の「スパイジーク」に落ち着きました。

【AIR JORDAN 5 T23】

2000年代初頭からNITRO MICROPHONE UNDERGROUND のメンバーであるGORE-TEX氏と共にAIR FORCE 1やDELTA FORCEでコラボレーションを重ねていたXBS氏が企画書からカラーウェイまで手掛けたのが2011年4月29日に日本限定1000足で発売されたAIR JORDAN 5 RETRO T23（454783-701）てす。

XBS氏ご本人によるAIR JORDAN 5 TOKYO 23の誕生秘話

かねてよりマイケル・ジョーダンのファンだったXBS氏にとってジョーダンブランドとのタッグは追い続けた夢のひとつ。

それが現実のものとなった際、ただスニーカーを発売するのではなく2005年から続いている5on5ストリートバスケットボールトーナメント「ALLDAY」（当時はナイキがサポート）の1回をAIR JORDAN 5 RETRO T23の発売時期に合わせて代々木公園バスケットボールコートで開催したいと考え、ナイキジャパンの担当者と共に進めることに。

そして、やるのならジョーダンブランドらしくしっかりとしたものにしましょうということになり、ナイキグローバル（アメリカ）からの予算のサポートも得て、プロの選手VSストリートのエキジビジョンを組むなど通常の ALLDAYより大きな規模で準備が進められ…後は2011年5月28日、29日の実施を待つのみでしたが、当日の悪天候によって中止となってしまいました。

もしあの時の「ALLDAY」を開催出来ていれば、ナイキジャパンのバスケットボールへの取り組みが今とは少し変わったものになったかも知れないとXBS氏は懐古する。

【SPIZIKE LOW PRM “Varsity Maize”】

XBS氏が特に拘るAIR JORDANシリーズは3と4、5、そして6。その全ての要素を取り入れたJORDAN SPIZIKE LOW PRMが AIR JORDAN 5 T23を象徴するカラーウェイを纏って登場することは…XBS氏だけでなく、当時の状況を目のあたりにしていた世代にとって非常に感慨深い出来事です。

しかも、AIR JORDAN 5 T23の時には雨で実現が叶わなかった発売に合わせたストリートバスケットボールトーナメントを、あのイエローとブラックを纏ったJORDAN SPIZIKE LOW PRMのリリースにフックアップする形で実施されるという「想像もしていなかった広がり」を特別なものとして捉え、体験出来る喜びは何ものにも代え難い。

尚、ALLDAY 2024 SPRINGをTOKYO 23がサポート。予選ラウンドが始まった5月11日、12日にTOKYO 23店頭でPOP UPSTORE “SPIZIKE MUSEUM”をスタート。JORDAN SPIZIKE LOW PRMがアーリーロンチされました。
更にベスト8を決めるゲームは5月25日、翌26日には決勝トーナメントが…2022年にクラウドファンディングにより美しく改修された代々木公園バスケットボールコートで開催されます。