AIR FORCE 1〜40周年をきっかけに

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )

1982年にエアユニットを初めて搭載したバスケットボールシューズとして誕生したのがAIR FORCE 1のハイカット。少し遅れてローカットが登場。その後、後継モデルとしてAIR FORCE 2、AIR FORCE 3と進化改良が加えられます。そして初登場から10年以上の時を経て新スタイルのミッドカットが世に送り出されました。

この頃は常にAIR FORCE 1が市場に溢れているわけではありませんでした。今ほどではないにしても、取り扱える店舗が少なく1シーズンに数型出るか出ないかといった限定的な存在。その為、アメリカをはじめとする海外からの並行品が正規価格より高い値段で流通していました。その中には日本未発売カラーも少なくなく、それがバリエーションとして高額でも魅力あるものとしてユーザーの目に映っていたのは間違いありません。もちろん当時の中高生世代にとって簡単に手が出せる値段ではなかったので…少しカラーや素材が違っても同じAIR FORCE 1と捉え、比較的安価な国内正規流通品を履くという…並行モデルには良い意味で市場の広がりを作る効果があったと私は感じていました。
余談になりますが、出始めこそ注目されたものの徐々に不人気の要因になったのがジュエルスウッシュ仕様のモデル。少なくとも日本の市場ではそういう空気が流れていた様に思います。

90年代後半にはルーズフィットパンツに常に真新しい白のAIR FORCE 1を合わせるスタイルがBボーイの間で流行。更に2000年に入り、CO.JPとしてAIR FORCE 1 白蛇や黒蛇、atmos提案のターミネーターカラー(ネイビーグレー)がヒット。時を同じくして並行でヒールサイドにアイコンを刺繍であらったWEST INDIES、PUERTO RICO等が流通しAIR FORCE 1人気は新たな局面を迎えます。そして、グラフィックアーティストSTASHやNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDとのコラボモデルへと繋がって行きます。

15年以上前のAIR FORCE 1を記憶だけに頼って大雑把にざっくりお話しすると以上の様な感じになります。資料を参照したわけではないので、飛ばし抜けているものも多々ありますが…一通りの説明にはなっている?はず。

下の動画はAIR FORCE 1 約290足のスライドショーです。1999年〜2006年に登場した50%以上を網羅。

25周年の2007年は1月からNIKE×HECTICよる1年間限定のコンセプトショップ1 LOVEが原宿にオープン。始まったばかりのNIKEiD STUDIOも併設され話題になりました。

更に同年5月には上野でAIR FORCE 1 25th anniversary EVENT “BOBBITO IN TOKYO”に加え、新木場のライブ・イベントスペースageHaでは25周年を祝うNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのライブが大々的に開催される等…2008年1月の1LOVE閉店まで1年を通してスニーカーファンにとって忘れられない思い出を残してくれました。

40周年にあたる2022年は8月に入ってから記念イベントが始まったばかり。この後、どういう展開が予定されているのかは分かりません。
ただ、SNKRSのタイムラインで上から下へ流れていくだけでは物足りない。暑さも寒さも匂いも感じないバーチャルな世界は簡単便利な分、記憶に深くは刻まれません。

とはいうものの、このコラムをご覧いただいている方の中にはAIR FORCE 1が初登場した40年前には未だ生まれていなかったという人も多いのではないかと思います。
もしかすると、AIR FORCE 1を履いたことがないという方もいらっしゃるかも知れません。
ならば40周年の2022年に、せっかくなのでAIR FORCE 1を初体験してみるのも良いのではないでしょうか?

AIR FORCE 1にはハイカット、ミッドカット、ローカットの3タイプがあります。その3タイプの中には軽量化を測ったバリエーションもあります。40周年だからといって何も40周年記念モデルを選ぶ必要はありません。
初めて履くなら、オリジナルに違いレギュラー仕様のものから始めることをお勧めします。何故なら手に入れやすいですし、価格も手頃です。何より基本を知らずして応用なしとも言いますから。

AIR FORCE 1 LOWはNIKE DUNK LOWより脱ぎ履きがしやすく、履いた時にシュータンの位置を調整する必要が殆どないので本当に便利です。

AIR FORCE 1 MIDはアンクル部分のベルクロストラップを締めるとホールド性が良すぎて窮屈なので多くの方はストラップを外しラフに履き、それがカッコいいとされています。ですが、新しい間はいいのですが履き込んでヘタレでくるとただただだらしなく見えるので、私の場合ミッドカットに限っては普段より1サイズ上げてアンクル部分に余裕をもたせストラップをしっかりホールドして履いています。

AIR FORCE 1 HIGHもストラップを輪っか状にしてヒール部分に垂らすのがお洒落とされていますが、私はやはりその履き方が好きではないのでベルクロストラップを外して履きます。ハイカットはミッドカットと違いベルクロストラップを取り外せるのです。そうやってシューレースも少し緩めておくと意外に脱ぎ履きにストレスを感じないんです。

以上、少しは参考にしていただけるかな?
私としては、3タイプ全てを一度は履き込んでみて欲しいと思っています。その結果、自分にはどのタイプが適しているのかを自らの意思、感覚で判断されることをお勧めします。
尚、どのタイプのAIR FORCE 1にも共通するのはNIKE DUNKや AIR JORDAN 1に比べて重いということです。でも少し考えてみて下さい。重いといってもRED WINGやDANNER、Timberlandのブーツに比べれば軽いものです。
最後にサイジングですが個人の足型にもよりますが、相対的にAIR FORCE 1は大きめなので普段よりハーフサイズ下げても大丈夫な場合が多いです。

AIR FORCE 1 40th anniversaryの与えられた催しに乗っかるのも悪くありませんが、

節目の年であることを機に
自らの意思で
AIR FORCE 1を試し履き始める。

それが1年間のお祭りで終わらないご自身のAIR FORCE 1 Lifeのスタートになるはずです。

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