弾丸スケジュール 東京21時間

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )

弾丸スケジュール初日

第1回《あんとき》マーケット(6月15日〜16日に東急プラザ 表参道原宿で開催されたフリマイベント)の打ち上げを7月9日に開催するよと事務局よりご案内があり、出席させていただいて来ました。
当初、7月は諸々立て込んでいて…また大阪-東京という距離もあって欠席の予定でした。
ですが…裏原ブームの真っ只中、その中心的存在であった方々がプライベートな形で一堂に会する機会は滅多にありません。その末席に加えていただく機会を逃しては後悔するという一念で開催の4日前になり急遽上京を決意。

元来、アルコールを嗜まないので…この10数年間、酒宴に参加することは皆無に等しく少々不安を抱いていましたが、馴染みのあるお顔や初めてお会いする方も含め、《あんとき》と現在が交錯した4時間半余りの宴は実に居心地が良く…。それは理屈ではなく正にあの頃の「自分の居場所に帰って来た」様な感覚になれたのです。

今はそれぞれ立場は異なれど、同じ時代に同じ空間に存在した方々。初対面でも共通の知り合いが複数居るという関係性。
《あんとき》のストリートの中心は裏原宿。大阪に住む私は言い換えれば外様の様な存在ですが、迎え入れてくださった《あんとき》マーケット事務局の皆さんには感謝しかありません。

私は裏原宿が始まる直前の原宿界隈を東京勤務時代に過ごし、裏原ストリートブランド全盛期をスニーカーを通して実体験。そしてその終焉をも見て来ました。

《あんとき》のストリートとは?と問うた時、実体験した者とそうでない者とでは、そこに導き出される答えは違うでしょう。でも、それでいいと思っています。裏原宿ブーム全盛期である《あんとき》の全てを新しい世代に伝え残すことは難しく、またそれは押し付けるものでもない。当時を懐かしく思える人、当時を新たに知りたいと思う人にだけに、何かひとつでも伝わるものがあるのなら…それが次の時代の《あんとき》に繋がる礎になることを願い信じているのです。

《あんとき》を作り彩ったおじさんやお姉様方は未だ未だ元気ですし、そして現役です。

弾丸スケジュール2日目

《あんとき》マーケットの打ち上げを終えた翌日は「Flags(新宿フラッグス)」に立ち寄り、Flags発新宿カルチャーマガジン 『POLE(ポール)』を貰ってから帰阪する予定でした(注1)。しかし、ここでは場所やお名前は伏せますが…東京に来ているならとスニーカーと深い関わりのあるお2人の方からお時間をいただける事になり、前夜に続いて充実した機会を得る事が出来ました。

それは、一両日中にWMNS AIR MAX SNDRが事前告知なしで一部店舗にて発売されるという風の噂を完全に失念するほどの濃密で大切な時間となりました。

因みに、Flags発新宿カルチャーマガジン 『POLE(ポール)』創刊号(フリーペーパー)は、Flagsが誕生した1998年をテーマに98人中の様々な業界の方にインタビューを敢行。内容の濃い文芸誌のような多角的なコンテンツになっているそうです。その98人の中には元NIKE、元UGG…そして《あんとき》マーケットの実行委員も務められた高見さんやスニーカーファンには馴染み深いファッション誌「Boon」の元ライターである岸さん(注2)も入っているので、近郊の方は新宿に立ち寄られ 『POLE(ポール)』を手に取ってみてください。
https://www.flagsweb.jp/eventtopics/29673/

そして、 『POLE(ポール)』の注目度すべき点として「限られた誌面上でしか出会うことができない希少性や紙媒体のおもしろさに立ち返り…」というもうひとつのコンセプトが掲げられています。
これは、利便性の高いSNSの時代になって失われた不便さや非効率の中にこそ、サブカルチャーの「種」が潜んでいるのだという《あんとき》マーケットのコンセプトにも通じる…次世代に向けての提言ではないかと私は捉えています。


以上、今回はかなり私的な内容になりましたが…東京滞在21時間の弾丸スケジュールの模様でした。

※ 注1:フリーペーパー『POLE(ポール)』は、自分では取りに行けなかったので東京在住の息子に「貰って来て」と依頼中です。
※注2:岸さんがBoon時代に担当されたスニーカーファン必携のBoon EXTRA「NIKEエアマックス完全制覇」や「ジョーダン・プレミアム」を超えるであろう岸さんの手によるスニーカー豪華本が今秋発売予定!

Related Article List