Withコロナ以降の新たなる世界のスニーカー市場がどうなるのか?

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )

2022年もナイキが中心になって始まった。
サイドスウッシュにペイズリーをあしらったNIKE DUNK LOWで年が明け、合算すると10万足を超えるだろうロンチ数のPatent Bredと Dark Marina Blueというサブネームが付けられたAIR JORDAN 1 RETRO HIGH OGが1月と2月に登場。同時期にUNION DUNK LOWが3色リリース。「3月26日はADIMATIC DAY」というコピーが一部で物議を醸し、初登場当時の2010年には振るわなかったnew balance M2002Rが2021年に続き注目された。こんな感じで始まったのが2022年ではなかったでしょうか。

終息しないコロナの影響で発売予定日が頻繁に変更となり、ナイキの場合は例年の如く決算期に発売が集中。ただでさえ発売数が多い状況に拍車をかけ、ユーザーの経済事情を圧迫?

2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は未だ出口が見えず、西側諸国のロシアに対する経済制裁は自らにも痛みを伴い、世界的な経済危機とインフレを引き起こす。

3月頃から始まった円安はというと、10月に一時期1ドル150円台になり僅か1年で約40円も価値が下がった。
12月20日の日銀による金融政策修正をうけて1ドル130円台になるも先行きは不透明。

当然の事ながら、その影響はスニーカーにも及び…2023年は殆どのメーカーで1〜2割程度の価格アップが予定されているという。

振り返れば2022年の初めから、徐々にスニーカー人気に翳りが出て来たのは間違いなさそう。それが目に見えて来たのは7月頃から。売れる物が減り、売れない物が益々増える。
10月には規制が緩和されインバウンド需要が高まる一方で、日本人ユーザーの影が薄くなったと言われる国内のスニーカー市場。国力は人口に比例するので、今のままでは日本の未来は明るくはない。

待望のAIR JORDAN 1 RETRO HIGH OG “Lost & Found”が発売された11月は大きな盛り上がりを見せるも…その後、即日完売するものは一部のコラボモデルのみ。それも過去の同コラボに比べると華やかさに欠けます。

人は馴れ、飽きます。特別が繰り返され続けると特別に感じなくなる。そうなると普通だった物が普通以下になり、売れない物が増えるという図式。

2023年も興味深い復刻や注目されるコラボレーションが予定されていますが…右肩下がりの傾向に歯止めをかけられるかは不透明です。

コロナに戦争、インフレによる経済危機。これまでの当たり前が当たり前でなくなった世界。

望むべきは只ひとつ。私達の子や孫が笑顔で暮らせる平和で豊かな世界。
スニーカーもそういう世界でないと輝きを放てない。

AIR FORCE 1の40周年、NIKE SBの20周年でもあった2022年。
しかしながら、ネガティブな状況ばかりが思い浮かぶ2022年。2023年もこの状況は続きそうですが、叶うなら明るい兆しを見出せる年にしたいものです。

軽症とは名ばかりで発症後の数日間は想像を超える苦しさが襲ってくるというのが、コロナに感染した方の共通のコメント。
行動制限のない年末年始。対策をしたとしても何時何処で感染しても不思議ではない環境です。
皆様が健康を損なわないで過ごせる事を心から願って、2022年を締めくくりたいと思います。

Related Article List