atmos SHINSAIBASHI 不在と不変の夢

「不思議な夢を見たの、聞いてくれる?」
彼女が朝のコーヒーを机に置きながらそう語りかけてきた。ありがとうとつぶやいた僕は、もし彼女が見たのが聖母の夢で、そして夢の中で、北海道の稚内あたりに教会を建てなさいとか、今あなたの隣に寝ている男は悪魔が受肉した姿ですとか、そんな天啓を受けた夢を見たと言われたらどうしようと、寝起きのコーヒーをすすりながら考えた。
「わかった、聞くよ。聞くけどまず聞いてくれ。僕の家は恐らく仏教を信仰しているし、今は教会を建てるお金なんかも当然ないんだ。後、確かに僕はエクソシストを人と比べたらよく観る方だと思うけど、僕は人間なんだ。しかも悪いことなんかこれっぽっちもしたことないし、やってやろうとも思わない」

「何の話をしてるの?」
「じゃあ君が見た夢は聖母が出現した夢ではないんだね?」
「そうよ」僕は心底ほっとした、。聖母の夢だったらお告げを無視しても頻繁に彼女の夢に出現することになるだろうし、ローマ教皇も同じ夢を見ていた事だろう。そしてお告げを実行し、場合にも奇跡なんか起きてしまった暁には、教会からの公認を受けWikipediaにも載る始末だ。本当に僕は心底ほっとした。
「安心したよ、じゃあどんな夢を見たの?」
「あなたって、そうやってなんでも勝手に決めつけて、いつも話も聞かずにペラペラと先に喋っちゃうのね」
「そうかな…」僕は確実に会話の選択を間違えたと気づいた。彼女の今の発言は怒りを確実にはらんだものだから、僕はもう少し慎重に答えるべきだったのだけれど。
「そうよ、あなたはよく知りもしないくせに、ただ得た知識をひけらかしたいだけなのよ」僕としては、ここらでヨーグルトやフルーツとかを食べたい頃合いだった、とてもじゃないが今はそんなことは言えない。朝はなんだかしらじらしいとはこの事か。

もう、彼女は夢の話をしてくれないだろう。そう思うと、どうしてもその夢の内容が気になって仕方なくなってきた。
「ねぇ、謝るから聞かせてくれないかな、夢の話」
「じゃあ私のために朝ご飯を作って、いい子に黙って聞いてくれるなら、話してあげてもいいよ」彼女はどうやら、さほど怒っていないようだった。僕の心理をうまく利用し、朝ご飯までこじつけたんだから大したものだ。僕はそれに敬意を表して朝ご飯を作ることにした。

僕はフレンチトーストを作った、レシピは「クレイマークレイマー」を見ていたからわかる。いつ買ったかわからないリンゴも一緒に盛り付け、彼女の目の前にサーブした。
彼女は一口食べて、口を開いた。やっと夢の話が聞ける。
「あなたって料理下手よね~」

NIKE AIR MAX 90 NRG
https://www.atmos-tokyo.com/items/cz5593-100

彼女の一言には面食らったが、このシューズはAIRMAX90である。僕の知っている限りでは、この靴は誕生から今年で30年近くたっている。30年もみんなに愛されたこのデザインは、数々の素材やカラーを使ってアレンジされ、また新しくなって僕たちを魅了してくれる、感心させたりしてくれる。決まったレシピが存在しない料理の様に。

確かに僕のフレンチトーストは、べちょっとしてるくせに焦げ臭く、溶け切ってない砂糖が舌触りを不快にさせる物だった。後で彼女から聞いたことだが、フレンチトーストにはコーヒーのフレッシュを入れたり、マヨネーズを入れたりするレシピもあるそうだ。知ってるなら教えてくれたっていいじゃないかと言ったら、普通のレシピも守れないあなたにできるわけがないと一蹴された。

僕は弁明しようと、口を開いたが舌がうまく回らない。おまけに彼女に手で遮られた。
「いい子に黙ってないと」
僕はここで全てを悟った。彼女は夢なんか見てもいないのだろう、それを追及したところで今みたいに遮られるか、適当な嘘の夢をでっちあげるだろう。彼女は最初からこれが狙いだったのか、それもわからないし今は追及もできない。悪魔は僕なんかじゃなくて彼女だった。

「この世には、知らなくてもいい事ってたくさんあるし、時には知らないふりをしなくちゃいけない事だってたくさんあるのよ。お互い無知だからこそ幸せに暮らしていた有名なカップルだっていたんだから」
まるで見たかの様な口ぶりだった。きっと彼女は何でも知っている。

atmos SHINSAIBASHI
大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-7-6
TEL:06-6484-6475

感染症予防に伴う営業時間短縮の為

TIME:10:30-20:00

Related Article List