あんときマーケット

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )

80年代のDCブランドブームといえば原宿・青山・渋谷を中心に広まった社会的なムーブメント。渋谷パルコやラフォーレ原宿はそのランドマーク的な存在でした。30代半ばより下の年齢層の方はDCブランドと言われてもピンと来ないかも知れませんが、スニーカーファンにとって今も馴染み深いCOMME des GARCONSはDCブランドの代表格のひとつだったと言うと、何となくでもその存在を感じていただけるのでは…?

私がDCブランドから受ける印象のひとつに「多品種少量生産」があります。商品の種類は多くても、単品毎の生産数は多くなく…それがどれだけ人気で売れたとしても追加生産、リストックをしないというスタイル。

そのDCブランドブームが落ち着き…ムーブメントの中心が「渋カジ」に移り…90年代〜2000年代初頭のストリートブランドブームへと連なって行く事になります。

音楽的なカルチャーを背景にそれぞれが思いのまま気軽に着こなすファッションと、どれだけ売れても追加製造しない手法は…意図してかどうかは分かりませんが、DCブランドと渋カジ…両方の要素を継承し発展したのが裏原ストリートブランドの側面のひとつではないか?と私は思っています。

そこにファッション誌とユーザーによってスポーツ用シューズを日常のファッションに取り入れ巻き起こった90年代半ばのハイテクスニーカーブームがあり、90年代末期からはナイキ を筆頭にストリートへのアプローチが始まり、スニーカーとストリートカルチャーは切っても切れない関係になりました。

その頃の裏原宿は以前このコラムでも書いた通り…街全体がストリートファッションのテーマパークの様な様相を呈していて…それは隣接した渋谷、代官山、恵比寿へと広がりました。

※スニーカーを連想する当時のワードは?と問われると…私は原宿のジャンクヤード、宇田川町といえばフットロッカー渋谷店と答えます。

今回開催されるフリマイベントは裏原宿・恵比寿・宇田川町といった東京のそこかしこでス トリートカルチャーが生まれ、東京が一番アツかった《あんとき》 を作り上げてきたブランド・ショップ・そして個人の方々の手によるもの。

スニーカーカルチャーを含めた言葉や文字では決して伝え残す事の出来ない今はなき《あんとき》 の熱量や雰囲気をフリマを通して感じられる稀有な機会として、是非足を運んでいただきたい。そこで体感する事がこの先のスニーカーシーンを再び盛り上げる為に必要な何かを、或いは一筋の光を見つけるきっかけになるかも知れません。

以下、Alternate Sneakers Movieのスペシャルインタビューにもご登場いただいた今イベントの主催者である株式会社ファナティック代表取締役、ウェブメディア『ミミック』を運営する野田大介氏からのメッセージとイベント概要となります。

裏原宿、恵比寿、宇田川町など、 異なる音楽的背景を持ったいくつかのクルーによって東京のいたるところで骨太なカルチャーが誕生 し、ストリートが最もアツかった《あんとき》。
そんな《あんとき》の買い物体験を令和に復刻。当時のカルチャーを作り上げてきたブランド、ショップ、キーマンが集結。
そしてこのフリマで販売される商品も多分スゴい。
いや、ハイプな代物とか、そんなもんは遠の昔に卒業された方々というか、入学してもいないと思うの で、そういう期待には応えられないと思うんだけど、このイベントでしか出会えないモノが多くなりそうなんだよね。

《あんとき》のモノだったり、貴重な私物だったり、未販売のモノだったり、もちろん今もんもあるかもしれないけど、なにが揃うかは来てからのお楽しみってことで。なんならボクらも知らないし、知ったとしても事前に何を売るか事細かにお知らせするなんて、そんな野暮なことはしません。

何度も何度も足繁く通い、スマホもないのに長時間列に並び続け(しかもちょっとしたことで怒られ )、やっと入店した店内にはほとんど商品がなく、わずかに残ったモノの中から希望のサイズがないか勇気 を出して話しかけ、試着なんておこがましいことはせずに買わせていただく (笑)。
そんな圧倒的な不効率と理不尽を乗り越え手にする1品は、自分の中で逸品となり、今もこうして買い物を続け、本業の傍らミミックのようなメディアを運営し、その魅力を後世に伝えたくなるような圧倒的な成功体験をボクらにもたらしてくれました。
「事前にすべてが告知され、目的のものをお店に買いに行く」 という作業のようなお買い物じゃなく、なにが出てくるか分からない。そんな宝探しのような、入った瞬間からワクワク・ドキドキが止まらな いアドレナリンにまみれたお買い物。
《あんとき》には当たり前だったけれど、今は皆無となってしま った、そんな《あんとき》の買い物体験を提供できるイベントになればなって考えています。

今回はフリマスタイルってことで、試着室とか鏡とかショッパーとか、そんな便利アイテムはないかも しれないけど、代わりにどこよりも心躍るアイテムが揃えてお待ちしております!って、いかんいかん 、《あんとき》はそんなウェルカムじゃなかった (笑)。

【あんときマーケット】
概要

ストリートカルチャーが最もアツかった90年代〜2000年代初頭の 買い物体験をシーンを作り上げてきた当事者たちと令和に復刻!《あんとき》 マーケット開催を6月15日 (土)・ 16日 (土) 東急プラザ表参道(オモカド)5F LOCULで開催!
90年代 〜 2000年代初頭のストリートブランド全盛期を《あんとき》のストリートと定義して、当時を振り返るウェブメディア『ミミック(https://mimimimimimimimimi.com)』の初リアルイベントです。

【 出店者紹介 / ショップ・ブランド 】

■A1 CLOTHING
ヴィンテージキングを経て、realmad HECTICを立ち上げた真柄さんが展開するショップ。DJとしても積極的に活動し、MASTERPIECE SOUNDを主宰。《あんとき》マーケットでは、オリジナルアパレルや真柄さんの私物を販売予定。

■mita sneakers
ミタスニーカーズさんからは FORUM “ASK”と世界中のどこにも販売されていない”RIVALRY “CONSOR TIUM CUP”の抽選販売が実現。《あんとき》マーケットの会場から応募可能で価格は “ASK”。応募する 際の言い値で、未発売の激レアスニーカーを購入できるまたとないチャンス。

■ふらふ屋
ロンドンのSLAM CITY SKATESにて活躍した後に日本へ帰国。SUPREMEやSILASの運営に携わりつつ 、自身のブランドFLAPHを2000年にスタートした立木さんが「ふらふ屋」として出店。スタッフはHECTICのディレクターであり、現在はHombre Ninoを手がけるYOPPYさんという豪華布陣。

■SALAD DAYS CLUB/magnif
恵比寿系を代表するブランド MACKDADDYを立ち上げた日下部さんが新たに立ち上げた「KYRA」を 中心に厳選されたビンテージアイテムやリメイクアイテムを展開。当日はアパレルの販売以外にミシンを使用したワークショップを開催。
magnif 古今東⻄のヴィンテージマガジンを揃える神田神保町のマグニフさん。今やレアもんとなった《あんとき》のファッション誌ですが、そこに掲載されているような商品と、そのシーンを作り上げてきた人た ちが一同に会すチャンスをお見逃しな!

■あんときセレクト – 高見商店
元NIKE/ 元UGG®️にして、裏原宿の母との異名をもつ高見さんを店⻑にお迎えしてお届けするミミッ クによる厳選セレクトショップ。あらゆるメディアで引っ張りだこの600足収納のスニーカー部屋も有名ですが、その貴重なコレクションの一部を大放出。

■本明秀文
CHAPTER では日本未発売のレアスニーカー、atmos では数々の別注もんを届けてくれた本明さんが私物を放出。しかも購入者には本明さんのありがたい人生相談というオマケがつくとか、つかないとか。まぁ、この辺は当日の気分次第。

■XBS from NITRO MICROPHONE UNDERGROUND
日本のストリートシーンに爆発的ムーブメントを巻き起こした伝説のグループ「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」のメンバーであり、nitraid のディレクターも務めたXBS氏の参加も決定。当日は自身が手がけたアイテムや私物を販売予定。

■宇野薫
総合格闘技の黎明期であった《あんとき》真っ只中、ボクらに総合格闘技を教えてくれたのは、ヒロシさんであり、宇野さんでした。現在は UCSやONEHUNDRED ATHLETICのディレクションをしながら 「UNO DOJO」のヘッドトレーナーも務めていますが、この度《 あんとき 》マーケットに参戦決定!!

■小島奉文(atmos)
フットロッカー アトモスジャパン合同会社メンズ シニアディレクターの小島さん。NIKEやadidasなど、数多くのナショナルブランドとの別注をディレクションするスニーカーシーンのキーパーソンが、 ファン垂涎の私物コレクションの中から貴重なデッドストックを厳選して放出予定。

■野崎兵輔
PUMA JAPANに在籍しつつ、スニーカーフリークから絶大な支持と人気を誇る野崎さん。自身のinstagramアカウントはフォロワー1万2000人超えを誇り、貴重なシューズコレクションを楽し むことができる。当日は、アメカジフリークにはたまらない商品が販売されるのでは?

■齋藤浩三郎商店
古着のメッカ高円寺に2022年に誕生し、今や知る人ぞ知る存在となった齋藤浩三郎商店の店主、⻫藤さんも参加決定。《あんとき》ド真ん中の90年代古着に定評がある齋藤浩三郎商店ですが、そ店主の齊藤さんは元Bʼs INTERNATIONALという経歴の持ち主。当日のセレクトもお楽しみに。

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