令和6年(2024年)

TEXT by Koji UEDA ( Alternate Sneakers )

2024年 波乱の幕開け

まず初めに、令和6年能登半島地震で被害を遭われた方々には謹んでお見舞い申し上げます。

良い年になればと願い、おごそかな気持ちで年を越し…家族と穏やかに過ごすはずだった元日に発生した大地震。被災した方の中には家族や住む家を失った方がもいらっしゃいます。
もしそれが自分の身に襲って来たのだとしら…ただただ立ち尽す事しか出来ないのだろうと。更に2日には羽田空港での航空機衝突炎上事故。こんな正月はこれまでに経験した事がありません。

1日から2日にかけては被災各地の状況が映し出される報道番組を見つつ、前回のコラムでご紹介したiMARTさんとCASPERさんにDMを送信しご無事である事が確認出来ましたが、atmos金沢店のスタッフさんに直に連絡をする術を持たない私は、ただただ大丈夫だろうかと心配する事しか出来ませんでした。

※画像は石川県在住のフォロワーさん(@hitoshiiiii.co)が、1月1日の地震直後に撮影されたもので、ご許可を得て使わせていただいています。
他にもご家族を非難させ、受け入れ難い不条理な現実に耐えつつ、1人残って大きく被害を受けたご実家の片付けを続けているフォロワーさんもいらっしゃいます。

地震の揺れは少しずつおさまりつつある様ですが、まだ予断を許さない状況は続いています。そして、被災した方々の復興に向けての闘いはこれからです。復興したからといって失ったものが完全に元に戻るわけではありません。先の見えのない生活を余儀なくされている被災した方々の心中は察するに余りあります。

2024年のスニーカーシーン

2024年の日本のスニーカーシーンはどうなるのか?正直なところ、さっぱり分かりません(苦笑)。
目に映る情報だけで推測を重ねると、ものの見方が歪になるので気をつけなければなりません。それを踏まえた上で申し上げると…売れる物と売れない物の二極化が更に進み、売れる物の比率がどんどん低くなって行く方向に向かう様な気がします。
年が明けるとどこも新春セールを実施するのは恒例となっていますが、メーカーの直販サイトの様にのべつ幕なしのセール開催はセールそのものの特別感が薄れてしまい、新商品が出ても値引きがデフォルトというイメージが私達ユーザー間に浸透しつつあります。

オンライン通販は売る側にとっても買う側にとっても効率の良い手段ではありますが、ユーザーサイドから見れば特定のECサイトにこだわる必要がない為、いわゆる一見さんの連鎖でしかありません。理由はオンラインを利用する場合、同じものを買うのなら値段の安い所を優先するからです。
それはフィジカルにも共通することですが、実店舗の場合は接客という生身の人間同士の繋がりやその他の状況によって、価格以外で勝負できる余地が残されています。
将来、ショッピングスタイルが今よりさらに大きく変化し、もし実店舗そのものがなくなる時代が来るとしたら…それはただ単に物を買うという無味乾燥で事務的な作業でしかなくなり、その先にスニーカーカルチャーと言えるものが本当に育まれるのかは大いに疑問です。

この様なネガティブな予想に対して、HOKAやUGG、on等は堅調な成長を続けていると聞いています。

また、先日行われた「箱根駅伝100回大会」でもナイキがシューズ占有率トップであったものの、ナイキ一強から一転してアディダスやアシックス、プーマといった他社のシューズを着用するランナーが増え、その勢力図が変わりつつあるとの事。

もちろん競技用とライフスタイルという違いはありますが…この流れは、スニーカーカルチャーの源流が競技用シューズを普段履きとして利用し始めたユーザーから始まったもこであるという歴史からも、あながち無視できない兆候なのではと思っています。

但し、この状況をただ手をこまねいて見ているだけのナイキではありません。手を替え品を替え新戦略を打ち出して来るでしょうし、他社勢力もこの機に乗じて攻勢を強めて来るでしょうから、ポジティブな視点で見れば2024年は面白い1年になるかも知れません。

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